マンション投資には莫大な資金が必要なので、物件の購入費用を全て自費でまかなうのは現実的ではありません。
ただし、だからといって身の丈に合わないローンを組んでも返済で苦しむ羽目になってしまいます。
そこで重要なのが、投資しながら自己資本比率を高めていくこと。
今回は、マンション投資の成功に必要な自己資本比率の計算方法や、一般的な自己資本比率の目安などを解説していきます。
マンション投資では自己資本比率が重要
自己資本比率とは、「現金や投資マンションを合わせた総資産のうち、何%を自分のお金で負担しているのか」を示す割合のことです。多くの場合、マンション投資では物件の購入資金としてローンを利用するため、「不動産の何%をローンではなく自己資金で買ったか」だと考えておいても良いでしょう。
では、なぜマンション投資では自己資本比率の把握が重要なのかというと、自己資本比率は投資が好調なら維持または上がっていく比率だからです。
ローンを利用している以上、マンション投資を始めたら毎月ローンの返済をする必要があります。このとき、入居者を確保して毎月家賃が入っていれば、家賃収入で返済ができるため自分のお金は減りません。自身のお金を使わずにローンの残債を減らし、黒字なら手元の資金まで増えていくため、自己資本比率が上昇していきます。
しかし、空き室が続くと、預貯金や本業の収入といった自己資金の切り崩しが必要です。自己資本比率が下がり続ければ、いずれローンの返済ができなくなったり、維持費や管理費を十分に負担できず入居者の確保が難しくなったりする可能性が出てくるため、マンション投資では自己資本比率をできるだけ高めていく必要があるのです。
自己資本比率の具体的な算出方法
・自己資本比率=自己資本÷総資本×100
上記の数式が、自己資本比率の計算方法です。自己資本と総資本の中身をより具体的に説明すると、以下のようになります。
(現預金+マンション購入時の自己負担金)÷(現預金+自己負担金+ローンの借り入れ額)
より簡単に自己資本比率を求めたい場合は、シンプルに「マンション購入時に出したお金」÷「投資マンションの購入額」でも構いません。
ただし、預貯金を考慮しておくと、投資で儲かっているのかどうかがわかりやすいです。
安定したマンション投資が可能な目安
自己資本比率は、もともと企業経営をする上で必要な概念として生み出されました。そのため、不動産投資において「最低限これくらいのパーセンテージを維持しておきたい」という明確な基準はありません。
しかし、会社経営で言えば、倒産しづらいとされるのは自己資本比率40%以上です。自己資本比率の目標として、40%を目指すと良いでしょう。
なお、自己資本比率が高ければ、「自己資金を他の物件に投資する際の頭金にする」といった資金の割り振りも可能です。自己資本比率は高すぎても低すぎても良くはないため、基本的に「自己資本比率を高め、資金に余裕ができたら投資の規模を大きくする」という考えで運用することをおすすめします。
自己資本比率を高めるテクニック
入居者を増やすために物件のメンテナンスを行う
自己資本比率を高めるには、空室率を下げ安定した家賃収入を確保して黒字を出すのが一番です。そのためにも、常に賃貸として魅力的な物件になるよう定期的に物件広告を見直したり、入居者が不満を覚えないように設備や内装のメンテナンスをしたりする必要があります。
大きな問題が出てから対処をすると高額な費用がかかるため、借り主や入居者から見て魅力のあるマンションになるようオーナーとして努めましょう。
借り入れ額を抑える
自己資本比率は、ローンの額を抑えることでも下げられます。そもそもの予算を抑えたり、無理のない範囲で繰り上げ返済をしたりしてできるだけローンの残債を減らしましょう。元金を減らせば金利の負担も減るため、返済も楽になります。
ただし、手持ちの資金を無理やり投資につぎ込むと生活が苦しくなってしまうので、まずは収入に合わせた借り入れ額の調整が必須です。
他人資本でローンを返すという考え方も
マンション投資では、「他人資本でローンを返す」という考え方もあります。他人資本とは、金融機関のローンや家賃など、名前の通り自分以外のお金を頼りにすること。
たとえば、ワンルームマンションを運用している状態で黒字が出たとき、貯めた資金を返済に回さず新しいマンションの頭金にすれば、それぞれの家賃でローンを返済可能です。
他人資本を上手に使うことで投資の規模を拡大したり、利益の上限額を増やしたりできるので、投資が軌道に乗ったときに備えて他人資本の使い方も考えましょう。
まとめ
マンション投資を成功させ、長期間安定した利益を獲得するポイントは、自己資本比率のアップです。空き室をできるだけ作らないようにして利益を蓄え、自己資本比率を高めましょう。
ただし、得たお金をただ返済にあてるだけだと投資の規模を拡大できません。必要に応じて他人資本を使いこなし、少しずつ投資物件の数や質を高めましょう。