不動産投資のリスク管理でも「分散投資」は基本

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不動産投資のリスク管理でも「分散投資」は基本

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投資の世界には「絶対に儲かる」という方法はありません。リスクといかに付き合うかという点が投資のキモともいえる部分です。リスクヘッジの基本的な方法の一つに、「分散投資」があります。

不動産投資のリスク管理でも、分散投資の考え方は欠かせません。
ここでは、基本的な分散投資という考え方に加え、不動産投資に取り入れる方法についてもご紹介します。

 

分散投資とは、投資先を分けることでリスクを軽減する手法を指します。

たとえば、株式投資で運用可能な資金のすべてを1社に集中していた場合、その企業が倒産すれば一文無しになってしまいます。しかし、複数の会社に分けて投資していれば、そのうち一つが倒産しても致命的なダメージを負いません。

倒産までいかなくても、景気の波を受けて資産全体があまり大きな増減を起こさないためにも用いられています。
分散投資はどんな投資手法でも必要な考え方であり、投資の基本といっても過言ではありません。

分散投資には「リスクを軽減できる」「運用が安定しやすい」などのメリットがあります。

しかし、一つの銘柄で大きく儲かっても、別の銘柄で損が出るといったことも起こりやすいため、利益が大きくなりにくいという特徴もあります。また、銘柄が増えるとそれらをすべて把握して適正に管理しなければならないため、その労力が増えるという問題もあります。

分散投資で投資先を分散するための軸には、「資産の種類」「運用先の地域」「買うタイミング」などさまざまなものがあります。

資産の種類には、「現金」「株式」「投資信託」「国債」「REIT」「不動産」「金」など、実にさまざまなものがあります。それぞれのリスクの高さも違ってくるので、どれか一つに偏らないよう分散させましょう。

株式についていうと投資先企業そのものを分けることに加え、投資先企業の事業セクション(食品、工業、生活必需品、ITなど)を分けることも大切です。複数社を買っていても似たような業種の企業だと、業界全体が不況に陥ることがあるのであまりリスクが減りません。相関関係にないセクションで分散することが大切です。

投資信託はそれぞれのファンドごとに複数の投資先に資金を委託しており、1銘柄購入すれば、ある程度の分散投資ができていると考えることができます。投資信託の運用先も国や地域、業界などのテーマに基づいて決められているので、運用先の場所や業種などが相関関係にないを選べば、さらに安心だといわれています。

また、同じ銘柄について、長期にわたって毎月同じ額を購入し続ける方法を「ドル・コスト平均法」といいます。これなら安いタイミングで口数が多く買えて、高いタイミングだと買える口数が減るので、結果的に購入単価が平均より抑えられるわけです。このように、購入タイミングの分散も大切です。

不動産投資では投資先資産が不動産なので、分散するというイメージがあまり湧かないかもしれません。しかし不動産投資でも、分散投資の考え方は大切です。

高額な区分マンションを1室だけ購入すると、その1室が空き室になっただけで空き室率100%になってしまいます。しかし、複数の部屋がある1棟アパートや単価の安いワンルームマンションを複数持っていれば、1室が空き室になってもほかの部屋から上がる収益で安定した収入を維持できます。

たとえば、不動産投資でリスクを分散する軸には、「場所」「物件のタイプ」「時期」などがあります。

場所の分散

区分マンションを複数のエリアに分けて所有すれば需要が分かれるため、たとえば「近くの工場がなくなったから単身者需要がなくなった」「大学の校舎が別の場所に移転したから学生需要が減った」という事態に対応しやすくなります。

また、災害が起きて物件が大きく壊れたり、事故物件になって募集ができなくなったりするリスクも分散できます。「首都圏」「関西」「地方」などという分け方をしても良いですし、自分が詳しい地域の中で需要が分かれそうなエリアに物件を分けても良いでしょう。

物件のタイプの分散

不動産投資の対象には一戸建てと区分マンション、新築と中古、一棟アパートと一棟マンション、ワンルームと4LDKなど、さまざまな物件のタイプがあります。オフィスや工場、駐車場といった物件も視野に入れれば、より選択肢は幅広く存在します。

こうした物件のタイプを分ければ、需要の変動にある程度、備えることが可能です。

ただし、物件の運用手法はタイプによって異なり、一棟アパートでうまくいった手法が区分マンションで通用するとは限りません。物件のタイプを変えるのなら、それに合った投資手法の勉強は必須といえるでしょう。

時期の分散

同じ時期に似たような築年数の物件を購入すると、劣化のスピードが似通ってしまい、修繕費の資金繰りを圧迫することがあります。購入時期をずらせばこうしたリスクに対応できますし、需要の変動に合わせた物件の選定などによるさらなるリスク分散が可能になります。

分散投資をしたからといって、投資である以上リスクを完全になくすことはできません。空室になるタイミングが運悪く揃ってしまう可能性もありますし、管理の手間が増えて管理状態が悪くなることも。

分散投資をするならそれぞれの物件の種類や土地に対する知識を深め、しっかりと管理を行うことが大切です。

現物投資である不動産投資は比較的リスクの低い投資法といわれていますが、投資の一種である以上リスクはあるため、分散投資という考え方は欠かせません。リスクを適切に分散し、安定した資産運用を目指しましょう。