マンション投資では、不動産の購入資金をローンでまかなうのが一般的です。
ただ、数千万円数億円のマンションならともかく、数百万円の中古物件なら現金で購入できるという方もいるでしょう。
そこで今回は、現金購入でマンション投資を始めるメリットとデメリット、現金購入に向いた物件選びのポイントなどをご紹介します。
目次
現金購入でマンション投資をするメリット」
ローンの金利負担がゼロ
現金購入でマンション投資を始めるメリットは、金利負担がないことです。投資用ローンのような長期・高額なローンだと、数十年分の金利負担だけで支払い額が数百万円変わってくることも少なくありません。
また、ローンを組まない場合は不動産に抵当権が付かないため、万が一、病気などで収入が途絶えても、即座に物件を差し押さえられたり手放したりする必要がないというメリットもあります。
欲しい物件を逃す心配がない
マンション投資向けローンを利用した物件の売買はローン審査を受ける必要があるため、申し込みから決済まで少なくとも2週間ほど待つ時間が必要です。
しかし、現金購入ならローン審査の結果を待つ必要はありません。欲しいと思った物件を見つけたとき、ほかの投資家や不動産投資会社に先んじて物件を購入できるのは投資において大きなメリットです。
現金購入でマンション投資をするデメリット
購入できるマンション投資物件の幅が狭まってしまう
現金購入でマンション投資をする場合、手持ちの資金より高い物件には手が出せません。どれだけ良い条件の物件を見つけたとしても、予算が足りなければ諦めることになってしまいます。
一般的に、立地条件が良い・状態が健全で維持費があまりかからないなどの優良物件は金額も高価なので、現金購入では投資効率も落ちてしまうでしょう。
預貯金が一気になくなる
数百万円から数千万円の資金を一気に使うため、預貯金がなくなってしまうことも問題です。マンション投資は、物件を買えば終わりではなく物件を購入した後にも維持費や管理費、修繕費などがかかります。
物件購入時の諸費用なども支払う必要がありますし、私生活の面で急な出費が必要になる場合もあるでしょう。そのため、現金購入をする場合は預貯金が底をついてしまわないよう、ある程度、貯蓄に余裕を持たせておく必要があります。
投資の開始時期が遅れてしまう
現時点で十分な資産を持っていない場合、「お金を貯める」という工程が不可欠です。
しかし、数百万円規模の貯蓄を作るのは簡単ではありません。10年、20年と投資の開始時期が遅れることで、マンション投資の経験を積む機会を失ったり資産形成のチャンスを手放したりする可能性があることも理解しておきましょう。年齢を重ねてから不動産投資に失敗すると、巻き返しが難しくなる点にも注意が必要です。
ローンを組んでマンション投資をするメリット・デメリット
好条件の物件にも手が届く
ローンを利用すると、現時点では手の届かない物件にも投資できるようになります。より需要の大きい物件や収益の大きな物件に投資すれば、短期間で黒字化を達成するのも夢ではありません。
また、ローンを組んで返済を進めることで、次回の融資を受けやすくなるというメリットもあります。投資の規模を拡大していきたいと考える方にはローンの利用がおすすめです。
審査があり手数料や金利の負担もかかる
一方のデメリットは、ローン審査やローンの利用時にかかる各種手数料、金利負担が発生すること。また、ローンを組んで購入した不動産には、ローン完済まで抵当権を付けることになります。
返済を滞納した場合、マンション投資物件を金融期間に差し押さえられてしまうため、ローンにはローンのリスクがあるという理解も必要です。
現金購入が向いている人とは
マンション投資物件の現金購入が向いているのは、現時点でマンションを買っても経済的に負担の少ない資産家や、相続に備えて現金を不動産に変換しておきたい人です。
不動産投資は長期的な運用で黒字化を目指す投資手法ですし、投資である以上リスクは切っても切り離せないため、「預貯金を使い切ってマンション投資で一発逆転を目指す」といった方法はおすすめできません。
現金購入でマンション投資するポイント
現金購入でマンション投資を始める場合、築古で立地の良いマンションを狙いましょう。
住宅の資産価値は主に立地と築年数で決まるため、担保としての評価が低い築古物件はローンが通りづらいです。
担保評価が低くても利回りの良いマンションを吟味すれば、資産を増やしていけるでしょう。立地が良く、価格の下がっているマンションをリフォームして運用するといった手も選択肢に入ってきます。
まとめ
現金購入でのマンション投資は、金利負担やリスクを抑えられる一方で、投資できる物件の選択肢が狭まってしまうというデメリットもあるため、万人におすすめできるわけではありません。
ただし、リスクやデメリットを理解していれば「ローンを組みづらい高利回り物件を狙う」等の対応も可能です。予算や投資の方針に合わせて、無理のない範囲でマンション投資を始めましょう。