不動産投資の世界では、「初心者にはワンルームマンション投資」とすすめられることが多いでしょう。たしかに、立地の良さから安定した賃貸需要を見込むことができ、一棟アパートやマンションに比べて金額敵に手を出しやすいワンルームマンションは、投資経験のない初心者にとってメリットの多い選択肢といえます。
ただ、初心者におすすめだからといって、リスクやデメリットがないわけではありません。この記事では、投資初心者に向けたワンルームマンション投資のメリットとリスクの両方をお伝えします。
目次
1.ワンルームマンション投資のメリット①初期費用が安い
ワンルームマンション投資は、数ある不動産投資の中でも安く投資を始められる手段の一つです。アパートやマンションなど、戸数の多い物件は安くても3,000~5,000万円ほどします。アパートより階数の多いマンションともなれば、中古ですら取引価格が億を越えてくるため、個人投資家ではなかなか手を出しにくいでしょう。
一方、ワンルームマンションは、安いものなら一室数百万円で購入可能です。もちろん都内の駅前一等地にあるタワーマンションの一室といった高額な物件もありますが、アパートやマンション経営よりは気軽に投資を始められます。
なお、初めての不動産投資では、金融機関からの信用がないので融資の上限額も低いです。少ない借入でリスクを抑えつつ、堅実に返済を進めて返済実績を作っていけば、将来的により大きな投資をする際にも役立ちます。
2.ワンルームマンション投資のメリット②流動性が高く売りやすい
立地の良いワンルームマンションは賃貸需要が高いため、不動産投資家から見ても魅力的です。
- 空き室が続いたので損切りするために物件を手放したい
- 現在の物件を処分したお金を新しい投資物件の頭金に当てたい
- 相続用の財産として一つの物件をいくつかの物件に買い替えたい
- 現在順調でも今後は分からないので複数の物件に投資してリスクヘッジをしたい
- まとまった現金が必要になった
といった状況でも、流動性の高いワンルームマンションなら短期間で売却できるでしょう。
3.ワンルームマンション投資のメリット③単身者や高齢者需要が高い
ワンルームマンションは、
- 大学進学を機に一人暮らしを始める学生
- 就職と同時に上京してきた新社会人
- 異動等に合わせて新居を探している社会人
- 戸建てから利便性の高い都心部への住み替えを検討している高齢者
など、さまざまな入居者を取り込めます。少子高齢化や晩婚化の影響を考えると、ファミリー世帯向けの物件は、賃貸需要を維持するのが難しいです。
ファミリー向け物件は、
- 夫婦のみの世帯
- 子どもがいる世帯
- 子どもが複数いる世帯
など、世帯人数によっても必要な間取りが変わってきます。2人で住むのが最適な物件に5人家族で引っ越す人は少ないので、空き室が出た後の客付けで悩むケースも少なくありません。
その点、単身者向けの物件は、賃貸需要さえあれば空き室が出てもすぐに客付けできます。
4.ワンルームマンション投資は空室リスクに注意
ワンルームマンション投資における最大のデメリットは、「空室リスク」です。不動産投資は、持っている物件を他人に貸し出すことで家賃収入を得るという仕組みなので、部屋を借りる人がいなければそもそも利益が生まれません。
また、収入源が一つしかないため、家賃の滞納や急な退去といったリスクへ備えるのも困難です。ただし、賃貸需要の高い物件に投資したり、投資を成功させて別のワンルームマンション投資ができるようになったりすれば、空室リスクはある程度、抑えられます。
5.ワンルームマンション投資の運用時の注意点
ワンルームマンション投資をする場合、もっとも避けたいのは客付けの難しい物件を購入してしまうことです。多くの場合、ワンルームマンションの顧客は、利便性・家賃・周辺環境・治安のバランスで入居を検討しています。不動産オーナー側から見ていくら安くてお得に感じても、一般消費者から見て魅力がなければ利益になりません。
- 人気のエリアや路線で物件を探す
- 駅から徒歩圏内の物件を狙う
- オートロック管理人常駐などセキュリティー性の高い物件を見つける
- 24時間スーパー病院宅配ボックスといった周辺環境付帯設備を持った物件にする
といった方法で、賃貸需要の高い物件を探しましょう。地域の人口比率等を調べて、「地域住民の好みに刺さる物件」に投資できれば、空室リスクも抑えられます。
6.まとめ
初期費用の安さから、「自分でもできそう」とチャレンジする人の多いワンルームマンション投資ですが、投資である以上はリスクもリターンもすべて自己責任です。適当に物件を購入してオーナーになれば、必ず儲かるという保証はどこにもありません。ただ、メリットとデメリットを把握したうえで儲かる物件探しに力を入れれば、ワンルームマンション投資のデメリットやリスクはある程度避けられます。
投資の知識はいくらあっても困るものではないので、投資について相談できるパートナーを見つけて、情報や知識を得ながらどの物件に投資するかを検討しましょう。