不動産投資は比較的低リスクで安定した収益を上げやすい投資といわれており、融資を活用すれば、自分の資産以上の金額を動かして効率よく資産が増やせます。
しかし、投資である以上一定のリスクがあることは確かです。闇雲にチャレンジすると、借金を背負って物件を手放すという事態にもなりかねません。マンション投資で成功するためには、リスクを下げるための工夫が不可欠です。
ここではその手法についてご紹介していきます。
レバレッジを大きく効かせすぎない
マンション投資を始め不動産投資は、「レバレッジを効かせられる」という点が大きな魅力です。レバレッジとは「てこ」のことで、融資を受けることで自分の資産にレバレッジを効かせ、実際に持っている現金の何倍もの資金を動かすことができる仕組みです。
ただ、大きなレバレッジをかけて高額物件を購入した場合、万が一、空室が続けば見込んでいた家賃収入が得られません。借入額が多いと毎月の返済額も大きくなるので、レバレッジが高いほどハイリターンな投資ということになります。
レバレッジをかける際は、空室が一定期間続いたり設備が故障したりしても対応できるよう、必ずある程度まとまった現金を用意しておきましょう。不動産投資の場合、全額現金で用意することは現実的ではありません。レバレッジをある程度に抑えること、現金を用意しておくことがリスクヘッジになります。
ほかの形の資産と分散して投資する
投資の世界では「分散投資」という考え方が鉄則です。債券、金、外貨、株式などのように、投資対象によってプラス要因、マイナス要因が違うため、資産を分けることでリスクを分散させることが大切なのです。
不動産投資の世界では、投資エリアを分けたり建物を分けたりすることが分散投資に当たります。また、投資物件の種類によってもリスクやリターンの大きさが違ってきます。
可能であれば不動産投資の中でも一定のリスク分散を図り、同時に資産を別の形にも分けて分散投資を心がけましょう。
たとえば、不動産投資は家賃が固定されているため、インフレに弱いという特徴がありますが、景気に敏感な株式投資などと併用することで、景気という要因によるリスクが分散できます。
情報収集を怠らない
不動産投資には投資対象によってさまざまなノウハウがあり、しっかりとした根拠を持った投資物件の選定や、最新の情報に対するアンテナが成否のカギを握ります。向上心がなければ、不動産投資で成功できません。
たとえば、不動産投資会社をはじめ、不動産会社や投資仲間、入居者、異業種の経営者など、あらゆるところから積極的に情報を入手しましょう。有料であっても評判の良いセミナーに参加したり、異業種交流会に参加したりすることで得られる情報もあります。
また、国や地方自治体が発表している統計データの中にも参考になる情報があるかもしれません。
一気に稼ごうとしない
不動産投資は融資を受けながら拡大するスタイルが基本なので、規模を拡大すると借金がそれだけ増えることになります。売却するか返済が終わるまで、毎月返し続けなければなりません。
不動産需要は年々変化するものです。需要が減って物件を売却しようとしても、借金が多く手元に資金が蓄積できていなければ損切(利益が出ない投資対象を、損を覚悟で売却すること)もできない状態になります。そのため、一気に稼ごうとして借金が膨らんだ状態は危険です。
自己資本を蓄積しながら、ある程度の資金ができてきた時点で次の物件購入を検討しましょう。現金を確保しておけば、ある程度の空室リスクにも耐えられます。
「出口戦略」を事前に練っておく
不動産投資は物件の購入を伴います。「収益の累計から経費を引いたもの」プラス「売却金額から購入金額を引いたもの」がその物件の収益です。そのため、売却するまでその物件で儲かったかどうかの最終判断はできません。
「長年利益を出してきた物件だから」と手放すタイミングを逃して、赤字状態でズルズルと持ち続けている人も多くいます。そうならないよう、購入する時点で物件を売却する際の「出口戦略」を練っておきましょう。
買った時の価格より高く売れるケースもありますが、たとえ買った金額以上の価格で売れても、十分に償却が進んでいなければトータルでマイナスになってしまうこともあります。
売却に適したタイミングとして、多額の経費を伴う大規模修繕が発生する前や、償却費が減ってきて利益が残り、税金が発生するようになるタイミングなどが考えられます。ご自分のケースではどのタイミングが最適か、シミュレーションしてみましょう。
まとめ
マンション投資は比較的リスクが抑えられる投資ですが、投資である以上リスクヘッジは大切です。リスクになり得る要因をしっかりと考えておき、収益を確保しましょう。