不動産投資からは切り離せない「固定資産税」はどのように計算される?

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不動産投資からは切り離せない「固定資産税」はどのように計算される?

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不動産投資をするには、まずアパートやマンションといった物件を取得しなければなりません。不動産は「固定資産」に分類されるため、固定資産税の課税対象となります。

つまり不動産投資と固定資産税は、いわば切っても切り離せない関係。収支を正しくシミュレーションできるよう、固定資産税の計算方法について学んでいきましょう。

固定資産税は土地と建物にかかる税金です。このほかに事業用の償却資産にも固定資産税が課税されますが、償却資産は不動産投資とは関連しないため、ここでは触れません。

固定資産税というと、自分が住んでいる住宅が課税対象になるというイメージをお持ちの方もいます。しかし、たとえ投資用に所有している物件で、自分が住んでいなかったとしても、所有していれば固定資産税の課税対象となります。

投資用不動産に関して支払う固定資産税は、確定申告の際に経費として計上できます。不動産投資を成功させるには、経費として計上できるものをできるだけ算入し、所得を極力抑えることが大切。所得税を納めた際に発行される納税証明書を必ず保管しておき、経費として算入しましょう。

固定資産税は不動産を所有していることに対して課される税金なので、所得税と違って例え不動産投資が赤字でも減免措置はありません。期限内に必ず納付しましょう。

固定資産税は不動産を所有していることに対して課される税金なので、所得税と違って例え不動産投資が赤字でも減免措置はありません。期限内に必ず納付しましょう。

また、固定資産税と同時に課税される税金に「都市計画税」があります。市街化区域内にある不動産が課税の対象となる税金で、不動産投資の対象となるエリアは基本的に課税対象となります。

固定資産税の課税額は、土地・建物の課税標準額に税率をかけて算出します。税率は各市町村(東京23区内であれば区)で自由に決められますが、ほとんどの自治体では標準税率にあたる1.4%で計算されます。また、都市計画税の税率は課税標準に対し最高で0.3%(制限税率)です

購入を検討している投資物件がある場合は、不動産会社に問い合わせて固定資産税評価額を教えてもらったり、自治体に問い合わせて固定資産課税台帳の登録内容を確認したりすると良いでしょう。

区分所有マンションの場合、土地部分の評価額は敷地全体の評価額に自分の専有部分が占める割合をかけて算出します。たとえば、敷地全体の評価額が1億円の土地で専有部分がその20分の1だとすると、土地部分の評価額は500万円となります。後でご紹介する軽減制度などを活用すると、毎年の固定資産税は概ね購入金額の0.5~1%程度になります。

仮に標準税率(1.4%)が適用される場合、この土地部分に対する固定資産税課税額は「500万円×1.4%=7万円」になります。都市計画税は「500万円×0.3%=1万5千円」です。

固定資産税の課税対象者は、毎年1月1日時点で固定資産税の所有者です。4月頃から6月頃にかけて市町村(東京都の場合は都)から納税通知書が送られてくるので、それに添付されている納付書を使って納付しましょう。

以前は役所の窓口や、銀行・郵便局といった金融機関でしか納付できませんでした。しかし近年では、固定資産税をコンビニエンスストアで納付できたり、クレジットカードで支払えたり、電子マネーが使えたりする自治体が増えてきています。

ポイントがつく分、お得になるケースもあるのですが、決済手数料を負担しなければならないケースもあるため、必ずカードや電子マネーによる支払いがお得になるとは限りません。また、口座を登録しておけば自動引き落としにすることも可能です。

1年の途中で土地や建物の売買があった場合は、一般的に売主と買主で決算日を基準に税金を日割り計算します。不動産会社が仲介し、買主側から売主側にその日以降の分に当たる税金を渡して清算することを覚えておきましょう。その清算分は、やはり不動産投資の経費として参入できます。

住宅用地に対する固定資産税には、次のような軽減措置が用意されています。

用地区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地(200平米以下の部分) 課税標準×6分の1 課税標準×3分の1
一般住宅用地(200平米を超える部分) 課税標準×3分の1 課税標準×3分の2

さらに新築住宅は120平米までの部分について、3年間(3階建て以上の耐火構造・準耐火構造住宅は5年間)にわたり固定資産税が2分の1まで軽減されます。2022年3月末までの特例措置で、居住部分の課税床面積が1戸につき50平米以上280平米以下の建物が対象です。貸家住宅の場合は1戸につき40平米以上280平米以下と要件が緩和されます。

マンション・アパートなどの集合住宅だと、「200m2×住戸数」の面積が小規模住宅用地の特例措置の対象となります。1戸当たりが200平米を超えるような住宅は滅多になく、結果として共有部分にかかる土地分の税金もため、より大きな固定資産税の減免効果が狙えます。

固定資産税は毎年必要となる不動産投資の経費です。軽減措置を使えば大きく軽減できます。計算方法や課税額の目安を知っておき、正確なシミュレーションに近づけましょう。