物件検索や仲介業者の紹介などによって気になる投資用物件を見つけたら、契約する前に必ず現地に見学に行きましょう。現地に行けば、文字だけでは伝わらないさまざまな物件の情報がダイレクトに伝わってきます。
ただし、何の準備もなく、ただ内見に行ってもあまり収穫は得られません。こちらでは内見で得られる情報を最大化するために必要な事前準備や注意点をまとめました。
投資用マンションもしっかり内見しよう
投資用マンションの良し悪しは、ノウハウとしてまとめられる際に、「駅からの距離」「周辺物件の入居率」「物件価格」などの数字情報として紹介されがちです。そのため購入の可否をそれらの数値だけで判断してしまい、実際の物件を見ずに契約してしまうオーナーも中には存在します。
しかし、入居者は数字だけでなく、物件そのものから受ける印象で入居を決めます。投資家にしても自分が住む物件であれば、必ず現地を見た時の印象や好みで入居を決めるのではないでしょうか。
設備の状態や周辺環境などの詳しい情報は、書面では伝わってきません。入居者の目線から詳しく物件の良し悪しを把握するために、投資用物件も必ず内見をして購入の可否を判断しましょう。
マンションの内見の事前準備
内見で受ける印象が大切とはいえ、数字など事前に得られる情報による分析も同じくらい重要です。内見の前には、次のような点について調査しておきましょう。
価格相場
周辺の路線価や公示価格を調べ、相場と実際の価格との関係をチェックしておきましょう。路線価は国税庁の「路線価図・評価倍率表サイト」、公示価格は国土交通省の「土地総合情報ライブラリー」で検索できます。また、賃貸物件の情報サイトで賃料や表面利回りの目安も把握しておきましょう。
周辺環境
Googleマップを利用し、周辺の利便性(スーパー、病院、駅、学校、コンビニの有無)や住環境、距離などを把握しておきます。騒音が激しそうな道路や線路、工場などが近くにあるかどうかもチェックしておきましょう。ハザードマップも必ず確認しておきます。
マンションの内見ポイント①共用部
マンションの資産価値は管理で決まるといわれることがあります。まずは外観の状態をチェックしましょう。小さなヒビが修繕されず放置されていると、浸水による躯体の痛みが発生しているかもしれません。躯体が傷んでいると基礎部分にヒビが入っていることがあるので、そこもチェックしておきましょう。基礎が傷んでいると、修繕費が大きくなってしまうことがあります。
清掃状態も大切です。ゴミや落書きは荒れた印象につながり、そうしたものが多いと入居者が確保できません。エレベーターの傷みは、大きな修繕費につながります。動作におかしいところがあったり、音がおかしかったりするようなら、購入を見合わせた方が良い場合もあります。
マンションの内見ポイント②専有部
専有部に入ったら、傾きがないかチェックします。できればビー玉を持参し、床に置いて転がらないか確認してみましょう。
クロスが寄れていたりはがれていたり、カビが生えていたりする場合は、水漏れが発生しているかもしれません。その場合は修繕費が高くなります。水回り設備も修繕費がかさみがちなので、実際に水を流してみて、水圧や水漏れの有無などを確認しておくことが大切です。
実際に住んでいる人の傾向も重要です。物件によってターゲット層の収入や家族構成などが変わってきます。騒音が気にならないかどうかも意識しておきましょう。
マンションの内見ポイント③周辺エリア
周辺エリアの環境も、内見時のチェックポイントです。地図だと近く見えたコンビニに信号の関係でなかなか行きにくかったり、夜になると薄暗い通りが気になったりするようなケースは、地図だけではなかなか判断できません。
昼間と夜で雰囲気が変わるエリアも多いので、できれば時間帯を変えて両方をチェックしておきましょう。夜になると酔っ払いの通りが多くなり、治安が悪いというエリアも存在します。
また、臭いや音は地図ではわかりません。近くにある飲食店の臭いがきつかったり、騒音が大きかったりすると退去に繋がります。地図で見える道路の騒音も、「少し距離があると思っていたら、上り坂でエンジンをふかすから想像よりうるさい」「平坦で近くに信号もないので、思ったほど気にならない」などの場合もあり、現地での情報が重要になります。
まとめ
投資用マンションを内見する場合、第三者的な視点から冷静にチェックすることが大切です。周辺環境や物件の状況を見極め、購入後の入居者の定着具合や修繕費の必要性を判断しましょう。そうすることで、「こんな物件、買うんじゃなかった!」といった失敗を防げます。