初心者が不動産投資にチャレンジする際、一番気になるリスクが「空室リスク」です。このリスクを下げたいなら、オーナーチェンジ物件の購入を視野に入れてはいかがでしょうか。
こちらではオーナーチェンジ物件を購入するメリットとデメリットを解説していきます。
目次
オーナーチェンジした収益物件とは
そもそもオーナーチェンジ物件とは、入居者がすでにいる状態の賃貸物件を指します。買主は売主から入居者との賃貸契約を引き継ぎ、購入すればすぐに家賃収入が得られる状態で物件を購入します。
「オーナーだけが変わる」ということから、オーナーチェンジ物件とよばれています。
オーナーチェンジ物件を購入するメリット
オーナーチェンジ物件を購入すると、集客をしなくてもすぐに家賃収入が得られます。
賃貸物件の客付けをしてもらうと、通常は管理会社に礼金として1ヵ月分の家賃に当たる金額を支払わなくてはなりません。しかも、客付けを始めて数ヵ月間、入居者が見つからないこともよくあります。
オーナーチェンジ物件ならそのような手間も空室期間もないので、初心者でも気軽に不動産投資が始められます。不動産投資ローンを借りる際、銀行の評価も良くなる可能性が高いでしょう。
空室物件の中には、表面利回りを高く見せるため周辺の家賃平均よりも高く設定した家賃で利回りを計算している物件もありますが、オーナーチェンジ物件ならそのような心配もありません。実際に入居者が得られる家賃設定がわかるので、実質利回りがわかり資金計画が立てやすいという点も大きなメリットです。
オーナーチェンジ物件を購入するデメリット
では、実際に収益が得られている物件を、オーナーチェンジ物件として売る側の心理はどういったものなのでしょうか?
物件にはなんの問題もなく、資金計画の関係上建物の償却期間が終了したため売却するというオーナーもいますが、実は物件に問題があって手放すというケースもあります。 オーナーチェンジ物件共通のデメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 室内の状態が把握できない
- 入居者が選べない
たとえば、物件内がゴミ屋敷になっていたり内装が思いのほか傷んでいたりしたとしても、中を見られないので気づかないかもしれません。自分の基準では入居を断るような無職の怪しげな人でも、オーナーチェンジ物件の場合はその人がそのまま住み続けることになります。
家賃の支払い状況は、必ず仲介業者が提示してくれるレントロール(物件の入居者数や家賃、入居期間などがわかる資料)で確認してください。なかには、悪質なことにレントロールを偽造する業者もいるので、実際の物件から受ける印象も重要です。
入居者のいない物件をいると偽るケースもあるので、現地でカーテンの有無や電気メーターの回転などもチェックしてみましょう。ほとんどの部屋のカーテンが同じという場合も疑ってかかりましょう。
オーナーチェンジ物件でよくあるトラブル
オーナーチェンジ物件には、次のような理由で手放される物件もあるので注意が必要です。
大規模修繕が間近に迫っていた
経験のある不動産投資家には常識ですが、マンションはおよそ10年周期で大規模修繕工事を行います。その際、毎月の修繕積立金に加え、区分所有者にも修繕費が追加請求される場合があります。
入居者とトラブルがあった
入居者の中にトラブルメーカーがいて苦情が多く、もめ事が起こったため手放したというケースもあります。その場合、新しいオーナーにも風当たりが強くなるかもしれません。
賃貸需要が下がった
たとえば、物件の近くにあった大学のキャンパスが移転したり、工場が閉鎖されたりした場合、賃貸需要が大きく下がることが予測されます。そうなる前に、またはそうなってすぐに物件を手放すオーナーも少なくありません。
良いオーナーチェンジ物件の見極め方
投資対象として価値あるオーナーチェンジ物件を見つけるには、ちょっとしたコツがあります。
コツ1 管理状態をチェックする
「清掃や整理整頓ができていない」「ヒビなど傷んだ部分がそのままになっている」など、管理状態が悪いと物件が傷みますし、治安も悪化しがちです。管理がしっかりできているかどうか、まずは現地で物件を確認しましょう。
コツ2 不動産管理会社をチェックする
悪質な不動産管理会社は、レントロールを偽造したり、入居率を高く見せかけるために一時的に「サクラ」の入居者を入れたりすることがあります。しかし、そのような管理会社は評判がよくありません。インターネット上の口コミを検索し、評判の悪い会社は避けましょう。
現行の賃貸契約の内容をチェックするという方法もおすすめです。不自然に同じような時期に契約が重なっていた場合、サクラの可能性が考えられます。
コツ3 売却の理由をチェックする
投資物件の売却には、必ず理由があります。前のオーナーが売却する理由を確認しておきましょう。
「建物の償却期間が終わったから」「そろそろ終活として物件を整理しておきたいから」「急に多額のお金が必要になったから」など、納得できる理由があればそれほど心配ありません。そうでない場合、物件に何らかの問題がある可能性があります。
まとめ
オーナーチェンジ物件は初心者でも比較的チャレンジしやすい物件ですが、デメリットもあるのでむやみに飛びついてはいけません。明確な投資目的を持って、不動産投資の専門家に相談しながらその物件の良し悪しを判断しましょう。