個人で始められる資産運用方法として、太陽光発電投資とマンション投資、どちらがお得なのか悩んでいる方もいるでしょう。
運用に回せる予算は有限です。そのため、投資先の選択は必要不可欠。
後悔のない投資ができるように、ここでは太陽光発電投資とマンション投資それぞれの共通点やメリット・デメリット、簡易的な運用シミュレーションをご紹介します。
太陽光発電投資とマンション投資の特徴
太陽光発電投資とマンション投資は、「不動産を利用する」という面では似通った投資商品です。
一見、まったく別物に見える両者の間には、以下のような共通の特徴が存在します。
- 高額な初期費用がかかる
- 投資後、長い時間収入を得られる
- 短期間で資産価値が変動しづらい
- 適切な確定申告や制度の利用で節税ができる
- 現金よりも相続税が安い
- 管理の手間をプロに委任できる
簡単にいうと、投資商品の中ではリスクや利回りが低く、上手に運用できれば長期間利益を出したり節税したりできるのが太陽光発電投資とマンション投資の大きな特徴です。
数日どころか数時間で大幅に金額が上下する株式投資やFXなどと比べた場合、投資の安定性が高いといえます。
太陽光発電投資を行ったときの運用例
太陽光発電投資の運用は、FIT制度といって、設置から10年間(業務用規模なら20年)一定価格で電力会社に電力を買い取ってもらえるという方式です。売電価格は毎年調達価格等算定委員会という組織によって決められており、2021年の買取価格は11~19円。発電量が10kWhまでは家庭用として19円、10kWhを超えると業務用の買取価格が適用されて単価が下がります。
また、家庭用規模での太陽光発電投資は、発電量の35%を生活に使うと計算するため、売電できるのは最大でも65%です。
そのため、10kWh以下の小規模・家庭用発電設備を設置するか、郊外の土地などを購入して中大規模・業務用の太陽光発電投資を行うかで、初期費用や月々の売電収入が大きく変わります。
太陽光発電投資のメリットとデメリット
太陽光発電投資のメリットは、日当たりの良い土地さえ確保できれば競合などを考えなくて良いという点です。安定した発電ができれば、売電によって毎月ある程度、安定した収入を確保できます。
また、郊外や山奥など地価の安い土地を買ってメガソーラーを始めることで、月々の売電収入を増やせるのもポイントです。FIT制度があるため、家庭用規模でも10年、業務用規模なら20年同じ価格で電気を買ってもらえる、つまり空き室リスクのようなものが少ないというメリットがあります。
デメリット
一方のデメリットは、天候次第で大きく収入が落ち込んでしまうことです。
また、工事を頼んだ業者の経験が浅く、予想していた売電収入を得られないというケースも少なくありません。
さらに、大規模な太陽光発電投資を郊外や山奥で行うと、落石や自然動物の侵入によって機材が故障し、その都度対策や修繕にお金がかかってしまうというデメリットもあります。
空き地を利用している場合、土地の担保価値は建物に比べて低いので、大きな融資を受けづらいのも問題点といって良いでしょう。
マンション投資をしたときの運用例
マンション投資の主な収入源は、入居者から受け取る月々の家賃です。基本的に、毎月の家賃からローンと金利の返済、維持費や管理費の支払いなどを行うことになります。
アパートやマンションの一棟購入には莫大な資金がかかるため、比較的費用の安いワンルームマンション投資から始めると良いでしょう。投資によって資産を増やしていけば、更にローンを組んで違う物件を買い足したり、より収益性の高いマンションに投資先を変更したりすることも可能です。マンション投資の成否は、空き室リスクの少ない物件を抑えられるかどうかで決まってきます。
マンション投資のメリットとデメリット
メリット
マンション投資のメリットは、万が一、契約者が亡くなってしまった場合、ローンの利用時に加入する団体信用生命保険でローン残債を完済できることです。マンションという現物資産を家族に残せば、賃貸に出すことも家族の住まいとして利用することもできます。月々の家賃は固定なので、賃貸に出した場合の収支の計算がしやすいのもポイントです。
デメリット
マンション投資には、以下のようなデメリットがあります。
- 空き室が続くと収入がゼロになる
- 家賃の滞納や騒音問題といった入居者トラブルのリスクがある
- 良い条件の不動産がなかなか市場に出回らない
最大のデメリットは、空き室リスクです。
一見、良い物件に見えても、地域の世代比率や立地によっては入居者を確保できません。
また、優良な入居者ばかりとは限らない点も注意が必要です。
まとめ
投資の規模を調整しやすく、空き室リスクや入居者トラブルのない太陽光発電投資と、入居者さえ確保できれば毎月一定額の収入を得られ、投資の規模を拡大していきやすいマンション投資はそれぞれの良さを持っています。
用意できる予算や投資の規模、投資の展望によってお得な投資商品は変わるため、まずは投資のプロに相談して自らに合った投資がどちらなのかを見極めましょう。