本業に支障のない範囲で副業を始めたい、不動産投資に興味はあるが初期費用はあまり用意できないといった人におすすめなのが、少額で始められるマンションの「区分所有」です。 ただ、少額で投資を始める手段には、複数の投資家から集めたお金で大きな物件を運用する、REIT(不動産投資信託) も存在します。
区分所有とREIT、どちらが良いのか迷っている方もいるでしょう。
この記事では、区分所有とは何なのか、REITとはどのような点が違うのか等を解説していきます。
「少額で始められる区分所有とは」
区分所有とは、不動産の一部を自分で所有するという不動産投資の手法です。あるマンションの一室だけ、またはいくつかの部屋だけを購入し、賃貸物件として運用することで安定した家賃収入の確保を狙います。マンションを丸ごと一棟購入するわけではないので、比較的予算の限られた人でも手を出しやすい投資の方法です。
なお、同じく少額で始められる不動産投資には、複数の投資家が出し合ったお金を元手に好立地の物件を購入し、その物件を運用した利益を出資者で分配する「REIT」という方法もあります。
ただ、REITの場合はあくまでも「不動産投資会社への投資」という形でお金を出しているため、投資した物件が自分のものになるわけではありません。不動産という資産を手に入れたい場合は、区分所有を選んだ方が良いでしょう
区分所有のメリット
区分所有のメリットは、初期費用の低さです。アパートやマンションを一棟丸ごと購入する場合、安くても数千万円規模のお金がかかります。
しかし、一棟数千万円するマンションも、一部屋だけなら数百万円程度で購入可能 です。不動産の市場価格はほとんどが立地によって決まります。同じ金額を出すなら、駅から1時間離れたアパートよりも、駅前マンションのワンルームを選んだ方が、安定した家賃収入を期待できるでしょう。
また、一棟マンション投資は、何らかの要因によって物件の賃貸需要が落ちたとき、一気に収入がなくなってしまうというリスクを抱えています。
しかし、家賃6万円の部屋を20箇所のマンションに分散して所有していれば、仮に一つのマンションが空き室になっても、ほかのマンションの家賃収入で生活を維持することができます。
区分所有のデメリット
区分所有のデメリットは、空き室リスクの高さです。たとえば、一部屋しか所有していないマンションが空き室なら、家賃収入は一切入ってきません。それでも不動産投資では、家賃収入がなくても広告費や物件の維持費、修繕費の積み立てといった出費が生じます。このため、空き室が出にくい人気物件を区分所有することが重要になってきます。
また、区分所有マンション投資で継続的に利益を得るためには、定期的な物件の買い替えも必要です。何年置いても価値が落ちにくい土地とは違い、建物部分は経年劣化していきます。マンション投資をするなら、「所有している物件をいつ売って、次の物件に投資すればお得か」といった出口戦略も考えておきましょう。
区分所有の失敗例と対応策
区分所有の失敗例としてよくあるのは、
- 「お得」という宣伝に釣られて空き室リスクの高い家を買った
- 管理費用や修繕積立金の負担が思ったよりも大きく赤字になった
- 契約した管理会社の質が悪く、入居者が居つかない
といったケース。
この中でもっとも注意したいのが、空き室リスクの高い物件、つまり借りたいと考える人の少ない不人気物件に投資してしまうことです。表面利回りが高くても、相場より安くても、単純に借りたいと感じる物件でないなら、購入は見送った方が良いでしょう。
また、ほかの入居者が修繕積立金を払っておらず、大規模修繕費用を負担できないといった物件も少なくありません。
管理会社の対応が悪く、せっかく契約してくれた入居者が出ていってしまうといったリスクもあります。
物件の立地や質だけでなく、管理の状況や管理会社選びにも注意を払うのがポイントです。
区分所有のリスクを減らす方法
区分所有のリスクを減らす対策は、
- 好立地の物件やすでに借り主のいる物件に投資する
- 事前に修繕積立金の積み立て状況や管理費の規約について確認してから投資する
- 物件管理業務の実績や相談時の対応を吟味してから契約を決める
こと。
不動産投資は、時間をかけて少しずつ資産を増やしていく資産運用方法なので、短期的なお得さや安さよりも長期間付き合っていける物件や管理会社を探しましょう。
まとめ
少額でマンションを所有して不動産投資を始めたいなら、区分所有がおすすめです。
ただし、区分所有を成功させるためには、物件や物件の管理状況、利用する管理会社の対応を見極めてから投資をする必要があります。
不動産投資では、焦っても良いことはありません。不動産投資セミナーなどで知識を蓄え、ある程度自分の目で物件や管理会社を判断できるようになってから、投資を始めましょう。