マンション投資をする場合、基本的には火災保険に加入する必要があります。
とはいえ、火災保険の保険料は、ワンルームでも一部屋あたり数万円。決して少なくないお金をかける以上、火災保険に入るメリットも、火災保険の選び方も分からない状態のままで投資を始めるわけにはいきません。
そこで今回は、マンション投資を始める方にぜひ知っておいて欲しい火災保険の基本を解説していきます。
目次
マンション投資には火災保険が必要
災害・事故のリスクをカバーしてもらえる唯一の手段
マンション投資を始めるなら、火災保険に加入しましょう。なぜなら、マンション投資において、火災保険は災害・事故のリスクをカバーしてもらえる唯一の手段だからです。
不動産は物理的に動かせないので、火事や水害といった災害・事故による被害を回避できません。被害の規模によっては、マンション物件を賃貸として利用できなくなったり、修繕に数百万円のお金がかかって運転資金が尽きたりしてしまうことも十分にあり得るのです。万が一の備えとしてマンション投資には火災保険が必要です。
物件を現金で買えば火災保険は不要だが現実的ではない
なお、物件を現金一括払いで購入すれば、火災保険に加入せずにマンション投資を始められます。
ただし、火災保険なしで不動産投資を始めるということは、たった一度の大きな事故で破産するリスクを抱えながら投資を続けるということです。
マンション投資では、初期投資額が大きく毎月の家賃収入にも上限がある関係上、数年十数年と長い時間をかけて少しずつ財産を増やしていくことになります。マンション物件を運用する期間が長くなればなるほど災害や事故に遭うリスクも高くなることを考えると、火災保険なしで不動産投資をするのはおすすめできません。
融資を利用した場合には火災保険の加入が条件となる
マンション投資物件をローンで購入する場合、火災保険の加入が必須です。理由は単純で、金融機関に火災保険の加入を求められるから。金融機関がローンで数千万円ものお金を貸してくれるのは、万が一返済が滞っても「担保のマンション物件を差し押さえて売却する」ことで貸し付けた費用の大半を回収できるからです。
しかし、火災保険なしの状態で融資を行うと、例えば大きな自然災害で建物が大きな被害を受けた場合、マンションの売却価格が下がるので、担保物権を差し押さえても元金を回収できない可能性が高くなってしまいます。火災保険未加入の投資物件は、金融機関からするとリスクが高いので、融資を受けられません。
マンション投資で火災保険が適用される範囲とは?
一般的なマンション投資物件向け火災保険の補償範囲は、以下の通りです。
- 火災・落雷・破裂・爆発
- 風災・雹災・雪災
- 水災
- 水濡れ
- 自動車の衝突など
- 盗難
- 予測できない事故が原因の破損や汚損
- 臨時費用補償特約
- 建物(管理)賠償責任補償特約
- 電気的・機械的事故補償特約
- 弁護士費用特約
- 家賃収入補償特約
- 家主費用補償特約
大家向けの火災保険では、「火災等で一時的に家賃収入が途絶えたときの補償」や「トラブルになった場合の弁護士費用の補償」などを受けられるのがポイント。
特約の有無や補償範囲は保険会社によって違うため、マンション投資では自分の物件に合った火災保険を見極める必要があります。
火災保険に加入するメリット
火災保険に加入するメリットは、ローンでマンション投資用の物件を購入できることです。
また、万が一自然災害や事故の被害を受けても、保険に入っていれば保険金である程度の損失をカバーしてもらえます。
建物自体の補償を大家が契約し、室内の動産に関しては入居者から徴収した保険料で火災保険に加入できるのもポイントです。水濡れなどで室内に被害が出ても保険で補償してもらえるので、クレーム等入居者との不必要なトラブルも避けられます。
マンション投資で火災保険を選ぶときのポイント
マンション投資向けの火災保険を選ぶ際のポイントは、投資する物件の特性に合わせてカスタマイズできる保険を選ぶことです。
一般的に、火災保険はある程度の補償がパッケージングされた状態で提供されています。補償や特約の全てを付ければ万全の補償を受けられますが、必要のない特約を付けても保険料が高くなってしまうだけ。自治体のハザードマップ等を確認し、浸水被害に遭うリスクが低い物件なら水害に対する補償を外すなど、必要性の低い補償を外せば保険料を抑えつつ十分な補償を受けられます。
まとめ
マンション投資は、長い時間をかけて資産を増やしていく資産運用です。投資期間が長くなれば当然予期せぬ災害や事故に巻き込まれる可能性も高くなるので、不動産投資をするなら火災保険に加入しましょう。
保険料はかかりますが、物件に合わせて不要な補償を外せば多少の節約が可能ですし、火災保険に加入すればローンも利用できます。無保険で不動産運用をするのは、任意保険に入らず車を運転するようなもの。マンション投資の失敗を回避するために、火災保険を活用しましょう。