マンション投資を始めるのに理想的な利回りはどのくらい?

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マンション投資を始めるのに理想的な利回りはどのくらい?

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これからマンション投資を始めようとしている場合、物件広告などで「利回り○%」というような文言を見たことのある方も多いのではないでしょうか。

利回りとは、そのマンションへの投資額に対して、どのくらいのリターンが期待できるかを示す数値です。そのため、実際に投資するマンションを選ぶ際には、利回りは重要な要素の一つとなっています。

そこでこの記事では、マンション投資における利回りの種類や平均相場、そして利回りをアップさせる方法についてご紹介します。

マンション投資では、利回りといっても複数の用語があります。具体的には、「表面利回り」「想定利回り」「実質利回り」といったものです。

このうち、表面利回りとはマンション投資におけるランニングコストを含めずに計算した利回りのことを指し、家賃収入を物件購入価格で割って算出されます。

しかし、まだ完成していない物件や空室物件の場合、家賃収入ははっきりと確定しているわけではありません。そこで、家賃収入を「このくらい」と想定して算出する利回りのことを「想定利回り」とよびます。

実質利回りは、家賃収入から管理費や保険料、税金といったランニングコストを家賃収入から差し引いた上で算出されます。そのため、上の二つの利回りと比較して、より現実的な指標といえます。

前述した通り、マンション投資の表面利回りは次のように計算されます。

表面利回り = 想定年間家賃収入 ÷ 購入価格

日本不動産研究所の調査(※)によると、都内の賃貸住宅一棟のマンションの利回りの目安は、次の通りです。

  ワンルーム ファミリー向け
城南地区(目黒区、世田谷区) 4.2% 4.3%
城東地区(墨田区、江東区) 4.5% 4.5%

※いずれも最寄駅から徒歩10分以内、築年数5年未満を想定

なお、一般的に新築物件と比較すると購入価格が低く設定される中古物件の方が表面利回りは高くなる傾向にあります。同様に、都内と地方都市では、地方都市がより高くなりやすいと言えます。

都内と同条件の場合、国内主要都市での利回りの目安は次の通りです。

  ワンルーム ファミリー向け
札幌 5.5% 5.6%
仙台 5.5% 5.7%
さいたま 5.2% 5.3%
千葉 5.2% 5.4%
横浜 4.9% 5.0%
名古屋 5.0% 5.2%
京都 5.2% 5.3%
大阪 4.8% 5.0%
神戸 5.2% 5.3%
広島 5.7% 5.8%
福岡 5.1% 5.2%

(※)出典:第42回不動産投資家調査(2020年4月現在)

https://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2020/05/3921741f3f0d73f8e41c58281b154eb4.pdf

マンション投資において、利回りの数字が高いほど、その物件は投資効率に優れているといえます。一方で、「高ければ高いほど良い」かといえば、一概にそうとも言い切れません。

上記の目安と比較して、利回りが高すぎる物件には、後述するようなリスクがあるためです。そのため、利回りは上に挙げた利回りの目安よりも「ほどよく高い」くらいが理想的です。具体的には、1〜2%程度、高い物件を狙うと良いでしょう。

つまり都内の城南地区で最寄駅から徒歩10分以内、築年数5年未満程度のワンルームを狙うのであれば、5.2〜6.2%といったところが狙い目といえます。

では、目安を大きく超えて高利回りの物件には、どのようなリスクがあるのでしょうか。

たとえば「借地権付き物件」は利回りが高く設定される一方、初心者には手の出しにくい物件です。借地権とは、建物を立てるために他人から土地を借りる権利のことです。そのため、投資を続けるためには地主に地代を支払わなければなりません。

しかし、地代は実質利回りでは考慮されるものの、表面利回りでは考慮されません。そのため、表面利回りだけを見て投資判断をしてしまうと、後で採算が合わないということにもなりかねないため、注意が必要です。

同様に「旧耐震基準の物件」への投資も、慎重に判断した方が良いでしょう。旧耐震基準とは、1987年の建築基準法改正以前の耐震基準です。新耐震基準の物件と比較して地震の影響を受けやすいことから、入居者からも敬遠されてしまう可能性があります。

そのため、新耐震基準に適合するための耐震改修をしたり、家賃を下げたりといった工夫をしないと空室が埋まらない可能性があります。

このようにマンション投資では、利回りだけでなくその物件の特徴なども考慮しつつ、慎重に比較・検討する必要があります。

一方、利回りは購入後も一定のものではないため、投資家側で利回りをアップさせることも可能です。たとえば、費用を抑えつつ人気のある内装へとリフォームするなど、物件に付加価値を付けることができれば、賃料のアップが見込めるでしょう。

また、こうした工夫は空室率を改善することにもつながります。ただし、リフォームに費用をかけすぎては、かえって逆効果になってしまう可能性があります。そのため、費用対効果を踏まえて判断することが大切です。

利回りは物件選びのわかりやすい指標ですが、利回りばかり見てしまうと結果的に投資効率が悪くなってしまう可能性が高いです。

この記事でも解説したように、空室や維持費のリスクを避けるためには、物件に足を運んだ上で「自分だったら住みたいと思うか」といったように想像力を働かせつつ検討することが重要です。