不動産投資はよく「不労所得」と呼ばれ、本業に支障が出にくいことからサラリーマンの副業として人気があります。本当に働かずに儲かるなら、こんなにうれしいことはありません。
しかし、不動産投資も投資の一種である以上、リスクがあります。「不労所得」=「ほったらかしでOK」ということではないので、そこを勘違いしないようにしましょう。
目次
不労所得と言われる所得の例
そもそも「不労所得」とは、「労働しなくても得られる収入」や、「労働の対価として得られる賃金や報酬以外の所得」です。具体的な不労所得の例には、銀行預金に対する利息や株式配当、年金などがあります。
不動産投資は不労所得というよりも「経営」
ご紹介した不労所得の例である利息や株式配当、年金などの場合、一度、仕組みを作ってしまえば、その後は労働が必要ありません。
一方、不動産所得で家賃収入を得続けるためには物件の管理が必要になります。具体的な管理の手順として、「入居者募集」「清掃・点検」「家賃の集金・入金管理」「退去時の立会い」「退去後の原状復帰」などが挙げられます。
これらのうちいくつかは管理会社に管理費を支払うことで、丸ごと委託できます。ただし、経営上の判断が必要な状況になったときは、都度管理会社と連携を取りながら自分でどうすべきか決めていくことになります。
つまり、毎日の定期的な労働が必要なわけではないものの、何もせずに家賃収入が得続けられるというわけではありません。不動産投資は純粋な不労所得ではなくあくまで経営であり、やるべきことは日々発生します。その点を理解して始めることが大切です。
不動産投資においてやらなければならないこと
まず、不動産投資でもっとも重要な部分は「物件選び」です。立地条件や物件の良し悪しを判断し、利益が出そうな物件を購入します。銀行融資を使って現金を手元に残しつつ、レバレッジを利かせて自分の手持ち資金以上の物件を購入するという部分が不動産投資の醍醐味なので、金融機関との融資交渉も必要です。
購入物件が決まれば、客つけをします。この部分は管理会社に委託しますが、客つけの能力は管理会社によって全く異なります。そこを見極めてどこに委託すべきかを決めたり、間取り図や家賃、設備などについて説明したり、交渉したりといった点がオーナーの仕事です。
オーナーが退去時の立会いをするケースも多くあります。管理費を浮かせて収益を上げるため、清掃などの日常管理までオーナー自ら行うケースも少なくありません。
不労所得を強く押し出した不動産投資の勧誘には注意
このように「日常的な労働はないものの、都度の管理や経営判断が求められる」のが不動産投資です。その部分を誇張し、「不動産投資は不労所得!」という点を強く押し出してリスクには触れようとしない不動産会社も少なくありません。
そういった勧誘をしてくる不動産会社は、今後も必要なリスクを説明せず物件を進めてくる可能性があり信用できません。注意しましょう。
不動産投資で成功する人の特徴
不動産投資は短期間で大きな利益が出る投資スタイルではなく、オーナーの地道な努力と堅実な判断で収入を増やし、試算を形成していきます。目先のことに捉われず、堅実に粘り強く努力できる人が成功しやすい世界といえるでしょう。
そのほかにも、不動産投資で成功する人には共通して次のような特徴が見られます。
コミュニケーション能力が高い
不動産投資を円滑に進めるためには、管理会社や入居者などとスムーズにコミュニケーションを取らなければなりません。細やかなやり取りで必要な情報を無駄なく伝えられる能力が求められます。
向上心が高い
不動産投資には実にさまざまなノウハウがあり、対象物件の種別などによってそれらを学ぶことが大切になります。本やセミナー、ネット情報などを活用し、学び続ける姿勢が大切です。
数字で判断できる
不動産投資をする前のシミュレーションでは、周辺環境に合わせた空き室率や家賃を設定し、現実的な収支計算をして利回りをシビアにはじき出さなければなりません。希望的観測で空き室率をゼロで判断するのではなく、本当にその物件を購入して良いかどうかを数字で判断できる人が、成功する傾向にあります。
重要な決断ができる
不動産投資の分野では本ばかり読んで、実際の物件購入に踏み切れない人も珍しくありません。物件を購入するとなるとまとまった費用がかかるので、決断に勇気がいることは理解できます。しかし、人気の物件はほんの一瞬で購入者が決まってしまうこともあります。自分なりの判断基準を設け、それに達していれば機械的に購入するような決断力が必要です。
まとめ
ご紹介したように、不動産投資は完全なる不労所得ではありません。購入後もやるべきことは多くあり、学び続ける姿勢も大切。そうしたことに納得して取り組むことが不動産投資成功の秘訣といえそうです。