不動産投資スタート時の悩み…ちょうどいい家賃設定のやり方

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不動産投資スタート時の悩み…ちょうどいい家賃設定のやり方

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ローンを組んで気に入った投資物件を購入し、いざ不動産投資を始めようと考えた時に立ちはだかるのが、「家賃をいくらに設定すれば良いのか」という問題です。家賃を上げれば利回りは良くなるものの、設定した家賃が相場より高いとそもそも入居者を確保できません。空き室を埋めるために家賃を下げても、本来の家賃を払っていた住民から反発され、入居者が減ってしまうでしょう。

家賃設定は、不動産投資の入居率・空室率を左右する非常に重要な項目です。
ここでは、不動産投資における家賃設定の重要性と、リスクの低い家賃の求め方を解説します。

不動産投資において、家賃設定が重要な理由は、「家賃次第で入居率が大きく変わってくる」からです。基本的に、賃貸物件を探す人は、「おおよその家賃」「利便性」「間取り」といったポイントで数多くの物件を絞り込み、ある程度似たような条件の部屋同士を比較します。そのため、いくら魅力的な物件でも、予算をオーバーしていれば入居を検討してもらえません。

かといって、家賃を相場より安くするのも問題です。例えば、すでに何室か埋まっているアパートやマンションの広告を出す際に空き室の家賃を5,000円下げた場合、既存の住民は不公平感を覚えます。「家賃設定を安くして欲しい」と要求されたり、優良な入居者が引っ越していったりするリスクがある以上、安易な値下げはおすすめできません。一度、家賃を下げてしまうと、値上げ交渉が難しくなってしまう点にも注意が必要です。

不動産投資で成功したい投資初心者は、「適切な家賃設定の方法」を知っておきましょう。

家賃を設定する際、もっとも一般的な方法が、相場を参考にすることです。簡単にいうと、近隣にある類似物件の家賃平均に合わせるのです。

たとえば、運用しているワンルームマンションの投資物件が最寄り駅から徒歩10分圏内にあったとしましょう。この場合、徒歩10分圏内にある単身者向けのアパート・マンションの家賃を調べ、類似物件の相場を家賃設定に当てはめるわけです。

人間は、価格が三段階にわかれている商品を見ると、「安いものは問題があるのでは」「高いものは割高なのでは」と感じる傾向があります。平均的な相場に合わせておけば、家を探している幅広い人に投資物件の魅力をアピールできるため、空き室リスクを抑えられるでしょう。

ただし、相場を参考にする方法は、「どの物件価格を参考にするのか」「類似物件の商圏はどの程度広く見積もるのか」「過去何年分のデータを見るのか」といった条件によって、金額が安定しないというデメリットもあります。個人で正確な数値を導くのは困難なので、不動産会社の手を借りて適正な相場を求めましょう。

利回りを使って、「ランニングコスト込みで黒字になる家賃」を求めるのもおすすめです。
具体的には、以下の計算式のうち、どちらかを使います。

  1. {(土地代+建築費用)×年間の利回り+年間の経費}÷12ヵ月÷戸数
  2. 10年・20年単位での収支計算
  1. 5,000万円で購入した中古アパート
  2. 希望する利回りは3%
  3. 年間の経費が300万円

という条件なら、

  1. (5,000万円×3%+500万円)÷12ヶ月÷8戸=4万6,875円

と家賃を設定すれば、年間3%の利益を出すことが可能です。同じ物件で、利回りではなく「年間200万円の利益が欲しい」と考えた場合は、

  1. (200万円+300万円)÷12ヵ月÷8戸=5万2,083円

が一戸あたりの家賃となります

ここまでにご紹介した家賃設定のやり方は、あくまでも「おおよその家賃」を求めるためのやり方です。実際には、

  1. オートロックや監視カメラの有無
  2. 24時間のゴミ出し場や宅配ボックスがある
  3. 内装がおしゃれ
  4. 建物が新しい

といった要素に合わせて、家賃設定を修正する必要があります。もし、「需要が多い」と感じる要素を複数持っていれば、多少強気な家賃設定をしていても、短期間で入居者を見つけられるでしょう。

投資物件の家賃は、高すぎても安すぎてもリスクが上がります。ただ、平均的な家賃を設定した場合、価格の安さを強みにすることができません。

そこでおすすめしたいのが、入居したら数カ月間家賃を無料にする「フリーレント」や「敷金礼金ゼロキャンペーン」「女性専用」「ペット飼育可能」といった手段です。上記のような手立てを使って投資物件の付加価値を高めれば、無理に家賃を下げる必要もありません。

投資物件の家賃を設定するのは、不動産オーナーの仕事です。

ただし、賃貸の利用者は、投資家が考えている以上に家賃をシビアに判断しています。近隣の相場より数千円家賃が高かったために運用開始後の入居率が下がったり、逆に数千円安いだけで入居者の質が悪くなったり既存住民が引っ越してしまったりするため、家賃設定は慎重に進めましょう。