不動産投資の鉄則は、「儲かる可能性の高い物件」「損をするリスクの低い物件」を見抜いて購入することです。実際に利益を生み出せるかどうかはリフォームの有無や広告の出し方等によっても変わってきますが、ポテンシャルの高い物件を選べば、投資の失敗リスクを抑えられます。 ただし、いわゆる優良物件の定義は、一つではありません。
今回は、不動産投資の物件選びをする際に、「築年数」をチェックすべき理由を解説します。
不動産投資の物件選びでチェックすべき項目
不動産投資の物件選びでは、最低限以下の5点をチェックして投資するかどうかを考えるのがおすすめです。
- 販売価格
- 利回り
- 最寄り駅との距離
- 戸数と間取り
- 築年数
基本的に、自分の財力を越える物件は、どれだけ収益性や将来性があっても手を出せません。自身の年収から無理なく返済できる借入額を計算して、「○万円以下の物件を探す」という条件を設定しておけば、もし数ヵ月空き室が続いても返済が滞ることはないでしょう。失敗してもしばらく投資を続けられる金額の物件を買うことは、投資において非常に重要です。
また、「物件の購入金額に対して、年間の家賃収入で何%の利益が出るのか」を示す利回りも気にしましょう。ただし、多くの不動産投資物件で大々的に広告されているのは、販売価格と年間の家賃を使って求めた利益の最大値、「表面利回り」です。年間の家賃収入から維持費等を差し引いた「実質利回り」を計算して、投資する価値があるかどうかを考える必要があります。
そのほか、無視できないのが立地の利便性。いわゆるマンションやアパートは、「最寄り駅から徒歩10分以内」の物件でないと、一気に入居者の確保が難しくなってしまいます。
- ワンルームか集合住宅か
- 単身者向けか家族向けか
を左右する投資物件の戸数と間取りも重要です。初めての不動産投資なら、一棟買いや家族向け物件よりも費用の安い「単身者が好むワンルーム」物件を選ぶと良いでしょう。
最後に、どのような投資戦略を取る人でも、必ずチェックすべき項目が投資物件の築年数です。新築や築浅物件は価格が高い代わりに長期間運用でき、築年数の古い物件は安く買える代わりに運用できる時間が短いという特徴を持っています。
新しすぎる物件にも古すぎる物件にもそれぞれのリスクやデメリットがあるので、築10年から20年の投資物件が狙い目です。
投資物件において築年数が重要な理由
投資物件選びにおいて、築年数を重視すべき理由は、
- 築年数によって「後何年運用できるか」が変わってくる
- 古い物件は経年劣化が激しく修繕費が高くなる
古すぎる物件は、市場に出してもなかなか売れません。
そのうえ、老朽化によって入居者が出ていきます。
- 物件購入後にある程度の期間運用して利益を出せる
- 維持費・修繕費があまりかからない
- 投資物件を処分する際に損をするリスクが低い
上記の年数の物件を見極めることが大切です。
投資物件に最適な築年数の目安
投資物件に最適な築年数の目安は、築10~20年前後。不動産価格は、新築の買い手がついた瞬間に大きく下がり、その後10年ほどは緩やかに価格が下がるため、築年数一桁台の物件は割高なケースが多いのです。
一方、築30年を越えた物件は、ほぼ底値まで価値が落ちてしまっています。投資物件としての寿命等を考えると、ある程度価格が下がっており、なおかつ10年程度は安心して運用できる「築10~20年前後」の物件がおすすめです。
新耐震基準について知る
不動産の世界では、建築の許可を得るために「耐震基準」をクリアしている必要があります。現行の新耐震基準は1981年に更新されたもので、基準は「震度6強から震度7の地震でも倒壊しない」設計・構造です。
一方、旧耐震基準は「震度5でも倒壊しない」ことが条件でした。投資物件の耐震性や安全性、経年劣化の程度を考えると、最低でも1981年以降に建築された、「新耐震基準を満たしている物件」に投資することをおすすめします。
築年数が古い物件に投資する際の注意点
築年数の古い物件に投資する場合、可能であれば購入前に管理費や修繕積立金の額をチェックしましょう。集合住宅は、各戸から定期的に「管理費」や「修繕積立金」といったお金を徴収して、建物のメンテナンスと補修をしています。
古い物件でも、定期メンテナンスが行われていれば、実用上問題のないケースが多いです。しかし、住民の高齢化や空室率の高さから十分な管理費や修繕積立金を徴収できていない場合、想像以上に建物の内部が劣化しているリスクがあります。
- 管理費が相場より高い・安い
- 修繕積立金が少ない
など、補修費用を確保できていない可能性の高い物件は、避けた方が良いでしょう。
不動産投資で成功するコツは、徹底的にリスクを避けることです。ただ、完成した建物の内部は、外から見てもわかりません。そこで役立つのが、築年数を使った物件選びです。
- 長く運用できる
- 新耐震基準を満たしている
- 維持費・管理費が古い物件に比べて安い
築10~20年程度の物件から、予算や間取りなどの合うものを選びましょう。