マンション投資を検討中の方の多くは、「家賃保証付きのマンション投資」について耳にされたことがあるのではないでしょうか。
不動産投資にとって、空室リスクは大きな問題です。そのリスクに備えられる「家賃保証」という言葉は、魅力的にも思えます。しかし、結論からいうと家賃保証付きのマンション投資には注意が必要です。その理由についてお伝えしていきます。
目次
家賃保証付きのマンション投資とは
家賃保証付きのマンション投資とは、家賃保証サービスを提供するサブリース会社とオーナーの間で賃貸借契約を締結し、物件を一括借り上げしてもらう方法です。サブリース会社は入居者を募り、物件をまた貸しすることで家賃収入を得ます。保証期間は30年間などの長期にわたります。
サブリース会社は毎月の家賃のうち85~90%程度をオーナーに支払い、残りを手数料として受け取ります。空室期間も事前に設定した保証賃料は続けて支払ってくれるので、退去者が出てもオーナーが受け取る収入はあまり変わりません。
たとえば、毎月の家賃が12万円のマンションに対して、10万円の家賃保証が付いていれば、たとえ空室になったとしても毎月10万円は受け取れます。一般的には物件の日常的な管理や入居者募集などの業務も、サブリース会社が代行してくれます。そのため、サブリース会社を利用すればほとんど手間をかけずに不動産を運用可能です。
空室リスクが軽減できる家賃保証のメリット
家賃保証付きのマンション投資を選択する最大のメリットは、空室リスクに対応できるという点です。
たとえば、先ほど例に出した家賃12万円のマンションの場合、3ヵ月間空室が続けば家賃収入が36万円も変わってきます。たとえ空室期間になっても、不動産投資ローンの返済は続けなければなりません。
退去者は通常1か月前までに通知すれば良いことになっていますが、入居者募集情報を流しても、次の入居者が決まるまでには少なくとも数ヵ月かかるケースがほとんどです。つまり、どのように運営していても、賃貸物件では多少の空室期間が発生しますので、その対策としてサブリースは非常に魅力的な制度といえます。
しかも、入居者との契約もサブリース会社が締結してくれるので、「不動産投資で不労所得が得たい」という人には、ぴったりの投資法といえるかもしれません。
家賃保証の注意点①保証額が減額される場合も
このように、家賃保証制度にはたくさんのメリットがあります。一見すると、投資家にはデメリットがないように思えるかもしれません。しかし、家賃保証制度には注意点もあります。一つ目の注意点は、保証額の減額です。
ご紹介したように、サブリースの保証契約期間は数十年にわたります。しかし、その間、保証額が維持されるわけではありません。住宅は経年劣化するので、一般的に築年数が経過すれば家賃収入も下がっていきます。契約内容によっては、数年ごとの更新や見直しで家賃の設定に応じて保証額を下げてしまいます。
サブリース契約では契約先のサブリース会社に投資物件の運営を一括して委託するため、家賃の設定にオーナーが口を出すことはできません。入居者を確保するため、大幅に家賃が引き下げられる可能性も十分にあります。一度下げてしまった家賃を、後から引き上げることはなかなかできません。
家賃保証の注意点②免責期間がある
サブリース契約には、通常免責期間が設定されます。面積機関とは、家賃保証の支払い義務が生じない期間のことです。
免責期間は「新築から数か月間」「入居者の退去後3ヵ月間」など、設定の方法はサブリース会社によってさまざまです。特に退去後の免責期間は、退去が重なったときに大きな負担となるかもしれません。
サブリース契約を締結する際は、必ずその期間の設定を比較しましょう。
家賃保証をあてにしたマンション投資はNG
「家賃保証があるから」という考えで油断していると、人口動態やそのエリアの家賃設定に対する調査や、需給の見極めなどがおろそかになりがちです。しかし、家賃保証があっても需要がなく入居者がつかなければ保証額も下がってしまいます。家賃保証をあてにしたマンション投資はおすすめできません。
サブリース契約もマンション投資ですから、需要があって資産価値の高い物件を安定して運用することが何より大切です。
まとめ
家賃保証が受けられるサブリース契約は、魅力的に見えるかもしれません。しかし、サブリース契約の有無にかかわらず、不動産投資は安定して入居者を確保し、家賃収入を得ていくことが何より大切です。
地域の物件情報に精通し、需要と供給を踏まえた物件選びのアドバイスをしてくれるような、信頼のおける不動産会社を選びましょう。そうすれば、サブリース契約などなくても不動産投資の失敗を避けることに繋がります。