不動産投資は、融資を利用することを前提とした投資です。融資なので当然ながら利息がかかります。

一般的な住宅ローンなどを利用する場合は、一定期間が過ぎたら利率が低い金融機関で借り換えをすることも少なくありません。不動産投資でも、そうしたローンの借り換えは可能なのでしょうか？

実は不動産投資でも、ローンの借り換えは可能です。ローンを借り換えした場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか？こちらでご紹介していきます。

不動産投資ローンの借り換えは、主に利回りを上げる目的で使用されている手法です。

不動産投資は比較的長期間にわたる投資方法です。住宅ローンほどではありませんが、ローンの返済期間も長期にわたるので、ちょっとした利率の違いが毎月の支払額に大きく影響してきます。

返済期間が変わらなくても、利率が変われば毎月の支払額を抑えて投資の利回りを上げることが可能。しかも新規の借り入れに比べると「どうしてもいつまでに借りないといけない」という事情がないので、金利交渉を強気で進められるという点が大きなメリットです。

また、利率が同じでも返済期間を長くできるなら毎月の支払額が抑えられ、キャッシュフロー（現金の出入り）が改善するというメリットが得られます。「早く借金を返したい」と思う方も多いかもしれませんが、不動産投資はキャッシュフローをより良い状態で維持することが鉄則です。返済期間はできるだけ長く設定しましょう。

このほかにも、借り換え先金融機関によっては団体信用生命保険の保障内容が手厚くなるという場合があります。これはほかの保険でもカバーできるので、ほかのメリットが得られる場合のプラスアルファの要素と考えましょう。

不動産投資ローンを貸している金融機関は、利息によって利益を得ています。その利益がなくなるため、借り換えによる一括返済はあまり歓迎されません。

そのことから、繰り上げ返済が無料でできる場合もある住宅ローンなどと比べて、一般的に一括返済の手数料が高く設定されています。また、借り換え先の金融機関でも諸費用がかかります。

さらに、金融機関によっては違約金を請求されるケースも。特に不動産投資ローンに力を入れている金融機関ではこのような傾向があるので、チェックしておきましょう。

固定金利期間中の繰り上げ返済を原則不可としているケースもあるので、借り換えができるかどうか確認が必要です。

借り換えの場合は、両方の金融機関で交渉や手続きをしなければなりません。その点で面倒と感じる人も多いでしょう。

現在付き合いがある金融機関に交渉すると、それまでの返済実績を加味して金利を安くしてくれるケースもあります。借り換えについて切り出す前に、まずは金利について交渉してみましょう。

不動産投資ローンを実際に借り換える場合、次のような流れで手続きを進めましょう。

1． 現状の確認

現在借り入れしている金融機関の利率や契約条件を調べ、一括返済にかかる手数料や違約金の有無なども把握しておきます。

2． 借り換え先金融機関の選定

金利や借入期間などについて交渉し、今よりも有利な条件で借り入れできる金融機関を探します。

3． 新しい借入先の審査

借り換え先の金融機関に相談。金利や返済期間、諸費用などの借り換えの条件が決定したら、融資審査を申し込みます。

4． 現在の金融機関との交渉や手続き

借り換えの意思を金融機関に伝え、一括返済を申し込みます。

5． 融資実行

金銭消費貸借契約を交わします。さらに司法書士に依頼し、抵当権の抹消と新しい抵当権の設定をします。

不動産投資ローンを借り換えるなら、次のようなタイミングがおすすめです。

• 固定金利期間が終了した時
• 健康な時
• 金利が低い時

金融機関や契約によりますが、固定金利の間は借り換えそのものが原則できない金融機関があります。固定金利期間が終了すると金利が上がるケースも多いので、借り換えを検討しても良いでしょう。

健康状態によっては団体信用生命保険（団信）が組めず、融資契約が結べなくなることも。年齢が上がるにつれて健康リスクが上がるので、先送りせず健康なうちに借り換えを済ませておくという考え方もあります。

もちろん金利の動向は景気によっても変わるので、借りたときより低金利になったタイミングを狙っても良いでしょう。また、自分の手元に現金が貯まってきたタイミングや、年収が上がって属性が良くなってきたタイミングで交渉すると、金利交渉を有利に進めやすくなります。

不動産投資ローンを借り換える場合、金利や返済期間だけでなく手数料や違約金など、さまざまな要素や費用を加味しておく必要があります。インターネットなどで借り換えのシミュレーションができるサイトも増えているので、必ずシミュレーションをして決定しましょう。

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