マンション投資のメリットとして、ひんぱんに紹介されるのが「景気の変動に左右されづらい」という資産としての安定性です。 ただ、マンション投資が経済の波に強いというのは一体どういう意味なのか、良くわからないという方も多いでしょう。
この記事では、そもそもインフレやデフレとは何なのか、実生活にどのような影響があり、なぜ賃貸不動産がインフレに強いのかを解説します。
インフレ・デフレとは
インフレとは
インフレとは、主に景気の向上に伴って、物価が上がっていく状態のことです。一般的には、景気が良くなると企業の利益が増え、一般市民の収入も増えていきます。収入が増えれば、当然商品の値段を上げても消費者側が問題なく支払いできるため、「給与も生活費も上がる」状況になるわけです。
ただし、不景気でもインフレは起こります。事実、オイルショックが起きた時は、トイレットペーパーが数倍の価格に高騰しました。物価の上昇と給与の上昇は必ずしも同時に起きないので、インフレも100％良いものであるとはいえません。
デフレとは
デフレとは、不景気などの事情によって物価が下がっていく状態のことです。景気が冷え込むと、消費者はお金を節約します。既存の価格で商品やサービスを提供しても買う人が減った時、企業が最終的に選ぶのは値下げです。
この時、どこかでデフレに歯止めがかからないと、
- 景気が悪く商品が売れない
- 商品が売れないので値下げをする
- 値下げをすると従業員の給与が下がる
- 懐に余裕がなくなって買い物をする余裕がない
という負の連鎖に陥ってしまいます。これが、いわゆるデフレスパイラルです。
インフレに有効な現物投資
インフレの問題点は、現金の価値が下がってしまうこと。たとえば、財布の中に1,000円入っていたとしましょう。インフレで物価が上がり、1,000円の商品が1,200円に値上がりすると、これまで購入できていた商品を購入できなくなります。持っている現金の額は同じなのにも関わらず、実質的には800円程度の商品やサービスしか購入できない状態になってしまうわけです。物価が上がっても、手持ちのお金は自動的に増えてくれません。とくに、銀行に預けている預貯金は価値が下がってしまいます。
そこで注目されているのが、
- 株
- 金やプラチナ
- ブランド品
- 不動産
といった現物資産に対する投資です。現物投資は、「その時点の現金価値」で換金できます。1,000万円の投資物件がインフレで1,200万円に値上がりしていれば、損をしていることにはなりません。
インフレ時もリスクコントロールしやすいマンション投資のメリット
マンション投資がインフレに強いといわれるのは、物価の上昇に応じて「土地・建物の資産価値」や「家賃」も引き上げられるからです。物価が上がれば地価も上がり、地価が上がれば設定できる家賃も高くなっていくため、入居者さえ確保していれば、安定した利益を手にすることができます。
また、建物や土地といった価値のある現物が存在するので、万が一の場合は投資物件を売却することである程度資金を回収可能であるという点も大きいでしょう。
インカムゲイン重視の物件選びが重要
マンションを始めとした不動産投資が景気の波に強いといっても、すべての物件がインフレに耐えられるわけではありません。マンションがインフレに耐えられるのは、
- インフレに合わせて資産価値が高くなる
- 月々の家賃収入（インカムゲイン）を期待できる
からです。土地はともかく、建物の資産価値は経年劣化で下がっていきます。
古くなったマンションは、維持費や修繕費でお金が出ていく一方です。
- 築年数は古くても30年前後で、長期間賃貸物件として運用できる
- 需要の高いエリアにあり、空き室リスクが低い
物件に投資して、インフレのリスクを抑えましょう。
日本の未来はハイパーインフレ？
「日本はデフレだ」「インフレは起きない」と考えている人は、多いでしょう。しかし、日本の現状を考えると、いつハイパーインフレが起きてもおかしくない状況になっています。
将来に対する不安から、日本人は所有している資産の大半を貯金として銀行に預けています。もし、何らかのきっかけで大量の現金が市場へ流入した場合、給与の上昇を置き去りにするハイパーインフレが起きてしまうでしょう。
大規模なインフレが起きると、持っている現金の価値は一気に下がります。インフレのリスクから自分の資産を守るために、日本ではインフレに強いとされるマンション投資がおすすめなのです。
まとめ
日本国内の銀行に眠っている大量の預貯金が市場に現金が流れ込めば、現金の価値が一気に下がるハイパーインフレが起きる可能性もあります。そこでおすすめしたいのが、物価の上昇に合わせて資産価値が上がり、月々の家賃収入も確保できるマンション投資です。
ただし、インフレ耐久力の高い物件は、賃貸需要が安定しているものに限られます。優良物件を見分けるのは大変なので、マンション投資に興味があるなら、不動産投資のプロと相談しながら物件選びを進めましょう。
