利用できるローンの額に限りがある以上、マンション投資をすれば自宅購入を、自宅を購入するとマンション投資を諦める必要があるのではと悩む方は少なくありません。
しかし、投資物件を吟味して考え方を少し変えれば、マンション投資と自宅購入は十分に両立可能です。
こちらでは、マンション投資として自宅購入を行う際のノウハウや、自宅投資における注意点をご紹介します。
マンション投資と自宅購入は両立が可能
マンション投資と自宅の購入は、方法次第で両立可能です。ポイントは、「将来的に高く売れる可能性の高いマンション物件」に投資するという考え方。
購入したマイホームに何十年も住み続けるのではなく、地価の上昇などで買ったときより高く売れる状況を待ってから不動産を手放せば、ローンを完済しつつ資産を増やしていけます。
マイホームの売却時に3,000万円の特別控除を利用することで、譲渡所得税や住民税の増税を避けられるので手元の現金も減りません。自宅投資の度に投資の規模を大きくしていけば、老後の住まいをローンで購入し、貯めた現金で中古マンション投資をするなど投資の幅も広げられるでしょう。
なお、「低金利の住宅ローンで購入したマンションを他人に貸す」といった方法はあまりおすすめできません。なぜなら、住宅ローンはあくまでもマイホーム購入用途のローンだからです。投資物件として、つまりビジネス用途でマンションを貸して家賃を得るための物件購入だと金融機関に判断されれば、最悪の場合、ローンの一括完済を求められてしまいます。
自宅を投資に利用する具体的な流れ
自宅マンションを投資に利用する流れは、以下の通りです。
- 資産価値の落ちづらいマンション物件を探す
- 住宅ローンを組んでマンションを購入する
- 新居に移りローンを返済しながら住宅ローン控除などで節税
- 物件が値上がりしたタイミング、または価格が下がる前に売却する
- 新たな自宅マンションを投資先として探す
投資の成功は、資産価値や価格の落ちづらいマンションを見つけられるかどうかにかかっています。
また、売りどきを逃さずに売却手続きを始めることも重要です。不動産の購入にも売却にも時間がかかるため、自宅投資をする場合は、こまめに近隣エリアの不動産価格や不動産売買状況をチェックしましょう。
単なるマンション投資よりも優れている点
自宅マンション投資が一般的なマンション投資よりも優れている点は、以下の4つです。
- マンションローンよりも住宅ローンのほうが低金利
- 入居者トラブルの心配や退去による清掃費用が不要
- 不動産の売却益が3,000万円以下なら所得税等が非課税に
- フルローンを利用できる
最大の強みとしては、ローンの金利差が挙げられます。
投資向けのマンションローンでは金利が2~3%台ですが、住宅ローンなら1%未満の金利も少なくありません。返済期間も原則30年や35年と長く、入居者用の維持費や管理費負担がないのも大きなメリットです。
また、住宅ローンだとフルローンにも対応しています。頭金を用意する必要がない分、初期費用の負担も小さいです。
空室のリスク軽減などのメリット
自宅マンション投資のメリットとして、見逃せないのが空き室リスクの低減効果。マンション投資では、空き室が続くと利益を出すどころかローンの返済を赤字で続けることになります。
しかし、自宅マンション投資なら購入した物件に自分で住むため、家賃の滞納や入居者の夜逃げといったトラブルを心配する必要がありません。毎月確実にローン元金を減らせますし、ローンを減らせば減らすほど不動産を高く売ったとき手元に残るお金が増えるため、不動産投資のリスクを少しでも抑えたいという方にも向いています。
また、住宅ローンの利用者は、住宅ローン減税・すまい給付金といった住宅購入支援制度を利用可能です。住宅ローン減税なら、最大13年間ローン残債の1%を控除できるため、仮にローン金利が1%未満なら毎年金利とほぼ同額のお金が返ってくることになります。節税制度の効果が非常に大きいのも、自宅マンション投資の特徴です。
自宅投資に適しているマンションの見分け方
自宅投資を実践する場合、
- 大きな駅の近く
- 地価が高く空き地の少ないエリア
の中古マンションを狙いましょう。立地が良く資産性の高いマンションは、10年後、15年後も高く売れる可能性が高いです。中古なら価格もある程度落ち着いているため、新築のように購入後一気に価格が落ちるといった不安もありません。
国土の狭い日本では好立地に中古物件が建っているケースが多く、中古に絞った方が立地の良い物件を見つけやすいのもポイントです。
まとめ
投資物件として魅力的なマンションを住宅ローンで購入し、ある程度の年数が経過してから売却すれば、マンション投資と自宅購入を両立できます。
ただし、重要なのは年数が経っても高く売れる物件を購入することです。マンション選びを間違えると、投資の計画はうまくいきません。ローンを組む際は、自宅投資に適したマンションを慎重に見極めましょう。