「キャッシュフロー」とは、現金の収支や流れを表す言葉です。マンション投資は短期的に見ると、キャッシュフローをプラスにして手残りを増やすことを目指しています。
キャッシュフローをプラスにするためには、どのような方法が有効なのでしょうか？
こちらでご紹介していきます。
マンション投資のキャッシュフローとは
マンション投資におけるキャッシュフローとは、家賃収入から実際に出ていくお金（必要経費や税金）を引いて、手元に残る金額を指す言葉です。不動産投資は、キャッシュフローを積み上げて利益を目指します。
投資用物件の広告では、家賃収入の総額ばかりが強調されがちです。しかし家賃収入がいくら入ってきても、経費が大きく手元に資金が残らなければ、健全な不動産投資とはいえません。
キャッシュフローの計算方法
マンション投資のキャッシュフローは、次のような計算式で算出できます。
| キャッシュフロー＝家賃収入-（ローンの返済額＋必要経費＋税金） |
キャッシュフローの重要性
キャッシュフローはその不動産投資の健全性を表しています。キャッシュフローがプラスなら問題ありませんが、マイナスの場合は手持ち資金やそのほかの収入で、補わなければなりません。キャッシュフローが重要となる理由には、次のようなものがあります。
返済に行き詰まる可能性
マンション投資では通常、不動産投資ローンを借りて投資用物件を購入します。手持ち資金がなくなり、ローンの返済が滞ってしまえば投資が続けられません。
キャッシュフローがプラスなら返済に行き詰まる可能性は低くなりますが、手持ち資金が少ないと空室期間がしばらく続いたり、設備の故障による修繕費用が発生したりした時に対応できません。
ある程度余裕を持って収支を組んでおき、プラスになったキャッシュフローを積み上げていけば、リスクを下げながら長期運用が目指せます。
別の収入から支払いをしなければならない
キャッシュフローがマイナスになると、本業の給与収入や生活費など、不動産投資と関係のない資金をローンの返済に当てたり経費の支払いに当てたりすることになります。その状況が続くと生活や気持ちに余裕がなくなってしまいます。
そうならないよう、キャッシュフローがプラスになるような資金計画を組み、不動産投資のキャッシュフローとその他の資金は分けて考えましょう。
家賃設定の健全性
物件の購入価格に対してキャッシュフローが大きい物件は、家賃が高めに設定できている物件です。家賃が高いと売却時の物件査定でも有利になるので、「家賃を高く維持すること＝キャッシュフローをプラスにすること」は不動産投資の成否を分けることにつながります。
マンション投資でのキャッシュフロー活用法
毎月のキャッシュフローがプラスになっているなら、その資金を手元に積み上げておきましょう。キャッシュフローをストックしておけば、次のような場面で役立ちます。
空室期間への対策
退去が決まると次の入居者を募集しますが、多くの場合は実際の入居までに数ヵ月間かかります。その期間は家賃収入がないため、自己資金で経費やローンの返済の支払いを行わなければといけません。キャッシュフローをストックしておけば、そうした空室期間の対策になります。
金利上昇リスクへの備え
返済期間中に金利が上昇すると、返済額に占める金利の割合が増えて元金がなかなか減らなくなり、返済額見直しのタイミングになると毎月の返済額そのものが増やされます。
しかし、キャッシュフローのストックがあれば、金利上昇局面で一部もしくは全部を繰り上げ返済するという選択肢が生まれます。借り換え手数料に充当して、金利の安い金融機関で借り換えをしても良いでしょう。
突発的な費用に備える
設備が急に壊れた場合なども、手元に資金を蓄積していればそれで修理代金を賄えます。突発的な費用にも、できるだけ不動産投資用の資金の中で対応しましょう。
固定資産税に備える
固定資産税や都市計画税は毎年かかる費用ですが、毎月支払うお金ではないのでつい備えを忘れがちです。これらの支払いにも、ストックしたキャッシュフローで備えましょう。
プラスのキャッシュフローを増やすためのコツ
キャッシュフローをプラスにするためには、実質利回り（年間家賃収入から修繕積立金等を引き、残りを物件価格で割った金額）が高い物件を選ぶことが大切です。さらにプラスをより大きくするためには、次のような方法が考えられます。
頭金を多めに入れる
物件代金に対する自己資金の割合が高くなると、毎月の返済額が抑えられるため、プラスのキャッシュフローを出しやすくなります。
金利の低いローンを選ぶ
不動産投資ローンは金額が大きいため、ちょっとした金利の違いが大きく返済額に響きます。できるだけ低利率で借りられる金融機関を選びましょう。借りているローンの金利が高いと感じたら、別のローンへの借り換えや繰り上げ返済も検討します。
家賃を維持する工夫を
家賃収入が高ければキャッシュフローをプラスにしやすいので、家賃レベルを維持できるよう努力しましょう。入居者が見つけられないときも安易に家賃を下げるのではなく、物件周囲の整理整頓や設備の充実などによって、家賃を維持しながら入居者が見つけられるよう努力してください。
まとめ
マンション投資におけるキャッシュフローとは、家賃収入から実際に出ていくお金（必要経費や税金）を引いたお金のことで、その不動産投資の健全性を表しています。
マンション投資においては、キャッシュフローをプラスにすることが大変重要です。家賃収入が高ければキャッシュフローをプラスにしやすいので、家賃レベルを維持できるような努力が大切です。ローンの返済期間や金利の設定で改善できる可能性もあるので、検討してみましょう。
