ワンルームマンション規制とは？

ワンルームマンション規制とは、東京23区の各区が独自に実施している、単身者向けマンションの建築規制のことです。
具体的な規制内容は区によって違いますが、東京都内で一定戸数以上のマンションを新築する場合、以下のようなルールを守る必要があります。

1. 一戸の広さは25平方メートル以上
2. 戸数が一定以上ある場合、ワンルームだけでなくファミリー向けの部屋も作ること
3. 管理人の設置
4. 戸数に対して○割以上の駐車場設置

基本的に、部屋が狭くて戸数の多い単身者用マンションを都内に増やさないよう、制限するのがワンルームマンション規制の目的です。

ワンルーム物件が規制されるようになった背景

都内23区でワンルーム物件が規制されるようになったのは、単身者によるマナー問題や近隣トラブル、そして税収の減少が問題視されるようになったため。

東京にやってくる単身者の多くは、地方から出てきて初めて一人暮らしをする若者です。
そのため、割合として単身者の多い物件では騒音やゴミ出しなどのトラブルも増えてしまいました。また、若い単身者は平均年収が低く、地元に住民票を置いている方も多いので、単身者が増えても区の税収がなかなか伸びません。

区の治安や税収を考えると、住民トラブルを起こす割合が高く税収を期待できない単身者が増えるより、ファミリー層を取り込んだ方がお得です。その結果、東京23区ではワンルームマンション規制が実施されるようになりました。

ワンルームマンション規制は不動産投資にどのような影響をもたらす？

ワンルームマンション規制が強まったことで、都内では新築されるワンルームマンションが減り、単身者向け物件の需要が高まりました。
単身者向け賃貸住宅の供給量が減る一方、東京にやってくる単身者の数は依然として多いので、都内は「ワンルームに住みたいけど良いワンルームがなかなか見つからない」という状態になってしまったのです。

需要に対する供給が少ないと、ワンルームマンションの価値は上がります。
さらに、ワンルームマンション規制の影響で、新築ワンルームは最低でも25平方メートル以上の広さが必要なので、一部屋あたりの家賃も上昇しました。ワンルームマンションの数が減り、新築ワンルームマンションの家賃相場が上がれば、当然中古ワンルームマンションの家賃相場も上がっていきます。

つまり、都内のワンルームマンションは、家賃が高くても入居者を確保しやすく、需要が安定して資産性が高いので、古くても高額で売却できる物件になったのです。若者が増えれば増えるほど、都内で高収入を得る単身者が増えれば増えるほど、ワンルームマンション投資家が投資を成功させやすい構造になってきています。

不動産投資を始める人がワンルームマンション規制で気を付ける点

これから不動産投資を始める方に気を付けて欲しいのが、ワンルームマンション規制の影響で、都内のワンルームマンション価格が高騰してしまっていることです。
不動産価格はいつ下がるかわかりません。都内の物件であっても購入後に価格が下がる可能性は十分に考えられるので、投資物件を選ぶときは、「今後も安定した家賃収入を期待できるのか」「売却時にいくらくらいで売れそうか」を吟味した上で投資する必要があります。

賢くワンルームマンションの不動産投資をするためのポイント

賢くワンルームマンションの不動産投資をするために重要なのは、ワンルームマンションの需要を読むことです。

たとえば、23区内でも高所得の単身者が多いエリアなら、家賃の高い物件でも入居率は安定します。
また、ワンルームマンション規制の影響で都心のワンルームマンション自体が減っていることを考えれば、繁華街やビジネス街へのアクセスの良い郊外で、高所得者向けの広くて新しいワンルームを探すのも効果的です。

一方、ワンルームマンション規制の前に建てられた狭くて戸数の多い中古物件を狙い、「家賃の安いワンルームに住みたい」という需要を取り込むという手もあります。
需要に合致する物件を押さえるのが、不動産投資のポイントです。

まとめ

ワンルームマンション規制の影響で、23区内はワンルームマンションの数が減り、売買価格も高騰しているため、予算の限られる個人投資家だとなかなか良い物件に手を出せない状態になっています。

ただ、人口減少が続く現代でも、東京は大量の単身者が流れ込んでくる都市です。
エリアや入居者の収入に合わせて物件を選べば、都心部でも郊外でも安定した家賃収入を狙える可能性があります。
ワンルームマンション投資をするときは、地域の賃貸需要に合う物件を探しましょう。