マンション投資はビジネスです。
投資を博打にせず、ビジネスとして成功させるためには、リスクの低そうな投資物件の選び方や不動産会社との付き合い方だけでなく、財務、つまりお金に関する知識も必要になってきます。
今回は、マンション投資の財務を把握する上で絶対に欠かせない書類、財務三表の内容や重要性を押さえていきましょう。
目次
財務三表は貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の三つ
財務三表とは、
- 賃借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
という三つの書類の総称です。
財務諸表は現金や借金をいくら持っているのか示すもの、損益計算書は一年間の利益と経費の差し引きをまとめた書類で、キャッシュフロー計算書は現金の出入りを記録した書類となっています。
マンション投資は、ローンという負債を増やして不動産という資産を手に入れ、受け取った家賃収入の中から借金の返済や管理費の支払いを行い、家賃収入で足りない部分は自己資金である資産を切り崩すなど、お金と資産の増減が激しいビジネスです。投資が上手くいっているどうかを判断するためには、複数の視点からお金や資産の出入りを分析する必要があるので、財務三表が利用されています。
なお、財務三表はマンション投資の経営状況を誰が見ても分かるようにまとめた書類です。確定申告でも使いますし、銀行に融資を頼むときも参考資料として提出します。財務三表を自分で作れるようになり、読んで中身を理解できるようになると経営管理がしやすくなるので、投資を長く続けていきたいなら一度腰を据えて勉強してみましょう。
貸借対照表は現金・資産・ローンの状態を表したもの
貸借対照表とは、資産と負債をまとめた書類です。貸借対照表を見れば、現金や不動産といったプラスの財産である資産と、借り入れ金や未払金といったマイナスの財産である負債が現在総額でいくらあるのかを把握できます。
財務三表はどれも決算の度に作成する書類なので、毎年貸借対照表を作っておけば、「去年より負債の融資額が減って自己資金が増えているから、ローンの返済もマンション投資も順調だな」といった判断ができるようになるわけです。
また、マンションのような建物は経年劣化によって資産価値が毎年下がり、売りづらくなっていくので、いつ売るかを考える際にも貸借対照表が役立ちます。
損益計算書は一年間の利益と経費をまとめたもの
損益計算書は、年間の利益と経費をまとめ、一年間で結局黒字だったのか赤字だったのか分かる書類です。
基本的に、一年間で得た家賃収入から一年間で使ったマンション投資の必要経費を差し引いて、余りが出たらその年の投資は黒字になります。月々の支払いではなく、年間で見たときに儲かっているかどうかを客観的に判断できる書類なので、損益計算書も非常に重要性が高いです。
なお、マンション投資で利益を出すと、利益の額に応じた税金がかかります。損益計算書を作るために毎月の収入と経費を管理していれば、「今年は黒字になりそうだから、経費を増やして来年の税金を節税しよう」といった対応を考えることも可能です。
キャッシュフロー計算書はお金の流れを示すもの
キャッシュフロー計算書は、1年間の現金の出入りを記載したもの。いつ家賃収入が振り込まれて管理費や修繕積立金を支払い、ローンと利息を払って税金を納めたのかというお金の流れを把握できる書類です。
毎月の家賃収入で必要経費の支払いやローンの返済を問題なくできているのか、いないのかを理解する資料として役立ちます。
マンション投資の長期戦略に財務三表は必須
マンション投資に財務三表が必要なのは、財務三表がないとマンション投資が上手くいっているのか、今後どう投資をしていけば良いのか判断できないからです。
マンションは経年劣化するため、いずれ物件を売却して違う物件に投資し直したり、追加で融資を受けて運用する物件を増やしたりする必要があります。
財務三表を読み解ければ、不動産の残存資産価値から何年以内にマンションを手放したほうが良いか考え、年間の収支に○万円の余裕があるから繰り上げ返済しても問題ないといった長期的な投資計画を考えることができるのです。
また、融資を受けたいと思ったら、マンション投資が黒字事業で返済能力があることを金融機関へアピールすることになります。財務三表の中身が分かっていれば、融資に備えて数年前から損益通算書やキャッシュフロー計算書の黒字化を進めるといった対応もできるようになるでしょう。
まとめ
財務三表は、自分の投資が上手くいきそうなのか、上手くいっているのか、今後どのようにマンション投資を進めていけば良いのかを考えるための必須資料です。
財務三表が読めない状態でマンション投資を続けるのは、口座の残高がいくらあるのかを調べもせずにクレジットカードで大きな買い物を続けるようなもの。投資をビジネスとして続けていく上で欠かせない書類なので、マンション投資をするなら財務三表の内容もある程度は理解できるようになりましょう。