マンション投資をする際に、注意すべきポイントはいくつも存在します。
その中でも特に投資初心者が見落としやすいのが、家賃下落リスクです。
マンション投資未経験の方だとイメージしづらい問題ですが、賃貸物件は築年数に応じて少しずつ家賃が下がっていきます。当然ながら、家賃収入が減るとローンの返済が苦しくなってしまうため、投資期間の長いマンション投資では家賃下落リスクを考えた物件選びが必要不可欠です。
そこで今回は、家賃下落リスクの対処法をお伝えします。
目次
そもそもマンション投資における家賃下落リスクとは
マンション投資における家賃下落リスクとは、文字通り、年々投資物件の家賃が下がっていってしまうことです。
どうして家賃が下がるのかというと、経年劣化によって不動産自体の価値・価格が下がっていってしまうから。不動産の家賃にも、立地・広さ・築年数に応じた相場があります。築20年の物件を新築のときと同じ家賃で貸し出そうとしても誰も借りてくれないので、空室を埋めるためには築年数に応じて値下げをしていく必要があるのです。
ここで、「家賃はマンションオーナーが決めるのだから、値下げを拒否すれば良いのでは」と考える方もいるでしょう。しかし、話はそう簡単にはいきません。たとえば、投資したマンションを家賃12万円で貸しているケースを考えてみます。当初はどの部屋も家賃12万円で運用されていましたが、15年後に空室ができ、同じ間取りの部屋が家賃9万円で賃貸に出されることになりました。このとき、もしも家賃12万円で契約している入居者に、同じ間取りの部屋に家賃9万円で引っ越してきた方がいることを知られた場合、当然「なぜ我が家だけ家賃が高いままなのか」というクレームにつながります。オーナーとして家賃の値下げを拒否することも可能ですが、値下げを拒否すれば入居者は別の家へ引っ越してしまうでしょう。
こうした事態を防ぐために、老朽化に応じて家賃を下げていく必要があるのです。ただ、家賃下落リスクの低い物件に投資することで、家賃の値下げ額をゆるやかにすることができます。
利便性の高いマンションを選ぶコツ
マンション投資物件の家賃下落リスクを抑えたいなら、いわゆるターミナル駅のあるエリアで、駅までのアクセスが良い物件を探しましょう。利便性の高いマンションは、住みたいと考える方が多く、古くなっても入居者を確保しやすいため、家賃を無理に下げなくても収益が安定しやすいからです。
ただし、「駅に近い」「便利な施設がある」といった立地による賃貸需要は、「もっと便利な駅ができた」「大きな商業施設が潰れてしまった」などの要因で簡単に下がってしまいます。特に、「これまで人気がなかったものの、最近人気になってきたエリア」は、ブームが過ぎると一気に需要が落ちてしまうリスクがあるので、賃貸需要が安定している地域かどうかも考慮しましょう。
リスク回避には設備の充実も大きなポイント
家賃下落リスクへの対処が必要なのは、家賃を下げないといずれ入居者を確保できなくなってしまうからです。言い換えれば、家賃を下げなくてもぜひ入居したいと考える物件であれば、家賃下落リスクを気にする必要はありません。その一つが施設の充実したマンションです。
たとえば、オートロックに監視カメラといったセキュリティーシステム、24時間利用可能なゴミステーション、住民向けの歓談スペースなど設備が充実しているマンションは人気が落ちづらいので、家賃の減額もゆるやかに進みます。
立地もしっかりと考慮しよう
マンション投資物件の家賃下落リスクを回避するポイントとして、押さえておいて欲しいのがライバル物件の多さです。マンションの家賃を高いと感じるかは、周辺にある物件との比較によって決まります。利便性が高く施設の充実したマンションであっても、周囲に同等のライバル物件が多数ある場合、条件の似た物件同士で入居者を奪い合うことになるので家賃の下落を避けられません。ライバル物件の少ない場所か、空き地などが少なく今後新しいライバル物件が建つ可能性の低いエリアで投資を進めましょう。
家賃下落を想定した返済計画が重要
一般的に、マンションの家賃は年間1%ずつ下がっていくといわれています。10年後も20年後も現在の家賃をキープできる物件はほとんどないため、不動産投資ローンを組むときは「将来家賃が下がっても返済が苦しくならない額」を計算しておくことが大切です。
マンション投資物件の購入予算は下がってしまいますが、ローンを滞納して物件を差し押さえられてしまっては元も子もありません。ローンも投資物件もリスクをできる限り抑えましょう。
まとめ
経年劣化を避けられない以上、マンションの家賃は年々下がっていきます。そのため、投資をするときは家賃が下がることを考慮して返済計画を立てることが重要です。
また、利便性の高い物件や設備の充実した物件、ライバル物件の少ない物件に投資すれば、家賃下落リスクを抑えられます。
あらゆるリスクに対処して、マンション投資を成功に導きましょう。