マンション投資では数百万円から数千万円の予算をつぎ込むことになるため、「絶対に失敗したくない」と考えるのは当然の心理でしょう。
ただ、投資のリスクをゼロにすることはできません。そこで重要になってくるのが、「リスク分散をする」という考え方です。
この記事では、マンション投資におけるリスク分散の重要性と、リスク分散を考慮した投資の方法を解説します。
目次
マンション投資にはリスク分散が必須!
マンション投資をするなら、リスク分散を考えましょう。なぜなら、全資産を一つの物件や同一のエリアに投入すると、一回、大きなトラブルが起きた時にすべての資産を失ってしまう可能性があるからです。たとえば、地震や火災といった災害は、マンションオーナーがどれだけ注意していても起きるときは起こります。利回りの良いマンションでも新築マンションでも、全損すれば賃貸物件として使えません。また、大学の移転や企業の倒産、駅前の再開発などで地域の世帯構成や賃貸需要が変わり、空室が続いてしまうことも考えられます。
マンション投資は、10年、20年かけて少しずつ資産を増やしていくものです。現在は賃貸物件として魅力的だとしても、10年後、20年後はどうなるか誰にもわからないもの。だからこそ、一極集中型ではなく資産を分散し、何かあったときのダメージを抑えられるように備えておく必要があります。
特に、いわゆる「サラリーマン大家」は、予算の関係上、所有できる物件数が限られるため、一度の事故やミスで資産を失うリスクは徹底的に回避すべきです。マンション投資におけるリスク分散の考え方にも、いくつかの手法があります。やみくもに複数の物件を買えば良いというわけではないので、リスク分散の考え方を押さえておきましょう。
購入するマンションの地域を分けてリスク分散する
マンション投資のリスク分散をする上で、最もわかりやすいのが、購入する物件の地域を分けることです。駅前と郊外、駅の北側と南側、国内と海外など、地域が変われば賃貸のニーズも変わります。ある所有物件で何らかの要因で賃貸需要が落ち、空室になってしまったとしても、別の地域に持っている物件には問題なく入居者がいるという状態が期待できるのです。
また、物理的に物件の距離を離すことで、災害によるリスクを回避できるというメリットもあります。
別地域でマンション投資を進めるためには、当然各地域の賃貸需要を調べたり、物件について調べたりする必要があるので、投資物件選びの勉強ができる点も地域を分けるメリットです。
マンションの部屋のタイプを分けてリスク分散する
ワンルームのほかにファミリー向けの物件を持つなど、部屋のタイプを分けるのもリスク分散につながります。複数のマンション投資物件を所有していても、そのすべてがワンルームマンションだと、地域のファミリー層を入居者として取り込めません。ワンルーム物件に投資した時点では若者が多い地域でも、住民の高齢化や施設の入れ替えなどによって賃貸物件への需要が変わっていくケースは多いです。しかし、間取りの異なる物件を持っていれば、地域の世帯構成が変わっても全室空室になるというリスクを避けられます。
なお、部屋のタイプさえ分ければ良いという話ではありません。部屋のタイプを分けても、その地域の賃貸需要に合わない物件だと入居者を確保できないからです。マンション投資の目的は、あくまでも入居者を確保して家賃収入を得ることなので、「今ワンルームを持っているから次もワンルームにしよう」と考えるのではなく、物件を探す地域に応じた物件探しを進めましょう。
マンション購入のタイミングをずらしてリスク分散する
リスク分散という意味では、マンション購入のタイミングをずらすのも効果的です。マンションの賃貸需要は、時間経過によって変わるケースが少なくありません。マンション投資を考えたときに人気のあるエリアが、将来に渡って同じニーズを維持しているとは限らないので、特にここ数年で賃貸需要が高まっている土地の物件を買うときは購入タイミングをずらしましょう。数年間、見極める時間を作れば、一過性の賃貸需要に流されてしまうリスクを回避できます。
マンション投資のリスク分散で大切な考え方
マンション投資のリスク分散で大切なのは、リスクとリターンのバランスを取ることです。複数の物件に投資をすると、その分、売買時の手数料も管理費もかかります。安い物件を買い漁れば投資のリスクを分散できますが、稼げない物件に投資をしても利益にはなりません。リスク分散をする時は、自分にとって十分な利益を見込めるプランになっているかどうかを慎重に検討しましょう。
まとめ
マンション投資は、投資額が大きくどれだけ気をつけていても防げない災害リスクなどが存在するため、複数の物件に投資し、リスク分散をすることが重要です。
ただし、災害リスクや賃貸需要は地域によって違います。リスク回避だけを考えると儲からない投資になってしまうので、リスクを分散しつつ、個々の物件が黒字化できる投資プランを考えましょう。