あまり知られていませんが、投資を目的としたマンション購入でも国や自治体から補助を受けられる場合があります。
ただし、公的な補助金や助成制度は、基本的に利用者が自ら申請した場合にのみ受けられるものです。使える住宅購入補助制度があることを知らないと、もらえるはずの補助金を逃してしまいます。
ここではマンション投資で使えるお得な補助金制度をご紹介していきます。
不動産購入時に使える補助金・助成制度を紹介
不動産購入時に使える国や自治体の住宅購入補助制度は、以下のようなものです。
- 住宅ローン減税
- すまい給付金
- 長期優良住宅
- 住宅資金等贈与の特例
- 中古住宅の不動産取得税の軽減措置
- リフォームの補助金
住宅購入を手助けしてくれる減税制度や補助金制度は、数多く存在します。毎年行われているものもあれば、期間限定で実施されるものもあるため、不動産を買う場合、こまめに政府や自治体の発表内容をチェックしておくことが大切です。
ただし、全ての制度が「不動産投資時」に使えるわけではありません。なぜかというと、ご紹介したような住宅購入支援制度はあくまでも「一般人がマイホームを持つ際の負担を軽減するため」に作られた制度だからです。マンション投資の場合、自らが住む家を購入するわけではなく、投資した物件で家賃収入を得ることが目的なので、住宅ローン減税を始めとしたほとんどの補助制度は対象外になってしまいます。居住用住宅向けの住宅購入支援制度は、減税・節税効果が非常に大きく、補助金額も数十万円に上るものが少なくありません。生活を楽にするための補助制度をマンション投資でも利用できるようにしてしまうと、投資をする人だけが税金で得する事態になってしまうので、不動産購入時の支援制度は、「自らが住む場合に限る」という制限が付けられています。
では、どういった補助なら受けられるのかというと、主にリフォーム支援の補助金です。長期優良住宅や低炭素住宅など、エコ性能が高く寿命も長い仕様へアップグレードするための改修資金に関しては、国や自治体から補助を受けられる場合があるため、築古物件のリフォームを考えている場合は積極的に活用しましょう。
まずは市町村住宅関連補助金制度で自分の自治体を見ていこう
マンション投資で使える補助金や助成制度を探す場合、まずはお住まいの市町村で利用できる制度がないか見ていくことをおすすめします。国が行う補助金制度と、各自治体が行う補助金制度は別物です。国の制度にはなくても、自治体であれば補助金を受けられるといったケースは十分にあり得ます。人口や税収の多い地域でない場合、受けられる補助金の額も少額に留まりますが、補助金額が最大数十万円に達する場合もあるので時間をかけて調べましょう。
なお、予算の関係上、市町村単位でのマンション投資家向け支援制度は「去年使えたが今年はもう使えない」「予算が減って金額も少なくなっている」といった大きな変更が起きやすいです。去年と同じ制度を使える保証はないので、必ずマンション投資をする年の最新情報をチェックすることをおすすめします。
住宅購入時の助成金制度を利用する方法
原則として、投資を目的としたマンションの購入時に効果の大きい助成金や補助金制度を利用することはできません。しかし、たとえば「マイホームとして購入したが、その後住む予定がなくなったのでローンの完済後賃貸運用することにした」といったケースであれば、住宅購入支援制度とリフォーム時に使える補助金制度を併用できる場合があります。また、賃貸併用住宅を建てて、自宅の一部を賃貸物件として活用するといった方式も可能です。
この方法であれば、
- 住宅ローンでマンションを買う
- 住宅ローン減税を受ける
- すまい給付金等をもらう
- マンションで暮らしながらローンを完済する
- 賃貸転用する
といった流れでお得な補助金や助成制度を活用しつつマンション投資を始められます。
不動産投資用のローンに比べて居住用の住宅ローンは金利が低く、住宅ローン減税を始めとした補助金制度の効果も大きいので、不動産の購入資金を大幅に抑えられるでしょう。
ただし、「マンションを買ってすぐに賃貸転用する」という方法はおすすめできません。たとえば、住宅ローンは「居住用の不動産を買う」という目的でのみ利用できるローンなので、完済する前に引っ越すとローンの不正利用になってしまいます。
効果の大きな補助金や助成制度ほど利用条件が厳しいので、お得な制度を利用したい場合は、住宅ローンを完済してから賃貸転用するという手順を守りましょう。
まとめ
マンション投資をする際、既存住宅の性能を底上げするリフォーム費用の一部を補助金や助成制度でサポートしてもらえる場合があります。
ただし、一般的に有名な住宅ローン減税等は、単純な投資目的だと利用できません。居住用のマンションを住宅ローンで買って補助金や助成制度を利用し、ローン完済後に賃貸転用するといった方法を取れる場合もありますが、不正利用になる場合もあるので、補助金をもらう場合は慎重に利用条件を調べましょう。