マンション投資は比較的リスクの低い資産形成の手段だとされていますが、それでもリスクをゼロにすることはできません。
だからこそ、マンション投資を始めるときはどういった場合に失敗してしまうのか、どの程度の成功率があるのかを知っておく必要があります。
ここでは、マンション投資の成功率や失敗率だけでなく、不動産投資の成功率を高めるためのポイントを押さえていきましょう。
目次
マンション投資の成功率に関する公式なデータは存在しない
結論からいうと、マンション投資の成功率について正確に調査したデータは存在しません。
なぜなら、不動産投資の目的や成功の条件が人それぞれ違いすぎるからです。いわゆる一般的なビジネスなら目的はお金を稼ぐことなので、「創業後何年倒産せずに経営を続けられているか」「何年黒字を出しているか」「売り上げの成長率は」といった指標で成功したかどうかをある程度客観的に判断できます。
しかし、マンション投資の目的は、必ずしもお金を稼ぐこととは限りません。副業収入や老後資金が欲しくて投資を始める人もいれば、現金でお金を持っていると相続税が高くなるという事情から、節税対策で不動産に投資をする人もいるからです。
逆にマンション投資の失敗率はどれぐらいか?
一方、マンション投資の失敗率はとあるデータを見るとわかります。
とあるデータとは、不動産投資家向けローンを提供している銀行の決算報告です。たとえば、スルガ銀行が発表した2021年10~12月の決算報告では、「一棟収益ローン」の延滞率が「7.16%」でした。※1
同年7~9月の決算短信が延滞率4.7%だったことを考えると、ローンを返済できない方の数は倍近く増えていることが分かります。ローンの利用者にとって、滞納は購入したマンションの差し押さえにつながる非常にリスクの高い行為です。預貯金や収入から赤字を補填して滞納を防ぐこともできない方が増えていると捉えれば、コロナ禍におけるマンション投資の失敗率は決して無視できるようなものとはいえないでしょう。
ただし、上記のデータでわかるのはあくまでも特定の銀行の一定期間の投資失敗率です。全体の傾向としてマンション投資の失敗率が高まっていると断言できるほどのデータではないので、「コロナ禍ではより慎重にリスクを避けた投資をする必要がある」といった程度に理解しておくと良いでしょう。
成功率を上げたい時に意識しておきたいポイント
世の中にある成功例は運も個人的な要素も絡むため、多くの場合参考にはなりません。
しかし、投資の失敗に関しては必ず「成功しなかった理由」が存在します。
たとえば、
- 新築にこだわって高額なローンを組んだら返済できなくなった
- 初めての投資で予算の全額を一つの物件に投入し、一度の失敗で全て失った
- リフォームなどにお金をかけすぎて入居者がいても赤字になる
- 運転資金を用意していなかったため、数ヵ月の空室で赤字に耐えられなくなった
といった事例は、事前に知識を持っていれば十分に回避可能です。
あせらずにじっくりと物件を選ぶべき理由
マンション投資の成功率を高めたいなら、物件選びに時間をかけましょう。不動産は一期一会の資産なので、一見利回りの良さそうな物件が出たり、仲介業者に「すでにご相談いただいている方がいて…」と急かされたりすると投資をしたくなる方が多いです。
しかし、不動産投資は一発逆転のギャンブルではありません。マンションの資産価値や家賃は、FXや仮想通貨、株式のように日々大きく変動するようなものではないため、利益を出すためには10年、20年と長く投資を続けていくことが重要になってきます。勢いで物件購入を決めた結果、5年、10年の投資で得られたはずの利益を手放すことになるリスクがある以上、投資するマンションはあせらずじっくりと選びましょう。
投資の勉強も成功率を上げる重要なポイント
投資の失敗を回避し、成功率を高めるためには、継続的な勉強も必要になってきます。誰もが予期しなかった新型コロナウイルスの流行で経済が大きく変動したように、将来何が起きるかは分かりません。絶対に儲かると思って投資したマンションが、都市開発や流行病の影響、企業の倒産等で赤字になる可能性もあるのです。毎年のように変更される税制や賃貸需要の動向、管理会社の口コミ、最新の投資失敗事例など学んでおいた方が良い情報は数多く存在します。不動産に投資するなら、マンション投資の勉強もセットで進めていきましょう。
まとめ
マンション投資の成功率に関する正確なデータはありません。
しかし、一部の銀行において不動産投資ローンの滞納率が上がっているのは事実です。幸い、投資の失敗率は事前に良くある失敗例を調べておいたり、時間をかけて物件選びをしたり、投資の勉強を続けたりすることで下げられます。学ぶべき知識を学び、十分な準備とリスク対策を施して、マンション投資の成功率を上げましょう。